小川町「待夢」はコーヒー260円。いったい、今、何時代?

人並に年末進行が目前に。毎回悩む「古通」連載の店選び、今回は未踏の江古田「スノードロップ」さんをめがけて、昨日動き出す。ポラン書房出身の女性店主。ちょっと会話を交わす。江古田も久し振り。くわしくは「古通」へ。

帰り、小川(小平市)下車。「栄湯」で入浴。これまで入った近隣の銭湯ではもっとも老朽化している。下駄箱、ロッカーのカギが多く失われている。浴場のシャワーも多く壊れている。前から目をつけていた喫茶「待夢(タイム)」でコーヒー。なんと260円。1975年ぐらいの値段。店もBGMもそんな感じ。くわしくは「古通」あるいは分割して「オカタケな日々」に書きます。ご報告まで。

チャンネル「銀河」で、大河「西郷どん」を録画して見始める。これはリアルでけっこう見ていた。守口高校後輩の徳井優も出演。がんばっているなあ。

昨夜、義母の死去による欠礼葉書が届いたと九州の姉から電話。長電話になる。義兄は3年前、ガンが発覚し、余命いくばくもないと告げられたが、3年後のいま、通院はしているものの元気に暮らしている。病にも個人差があるらん。「銭湯に通っている」という話をして、10代半ばから住んでいた家に最初、風呂がなくて銭湯へ通っていたという昔話に。どの銭湯へ行っていたか忘れていたが、「ほら、お好み焼き屋の〇〇さんがあって、帰りよくそこで食べた」と言われて、ああ!と記憶が戻る。のち、父親が戸外に風呂を増築した。

声をかけても聞こえないそぶり

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「時間ですよ」の劇中歌「ひとりごと」。好きな曲です。西真澄は、ほんとうに自分でギターを弾いてますね。

昨夜は、W杯ドイツ戦を興奮のうちに見る。驚いたなあ。大方の予想のごとく、1対1なら上出来と思っていたから。いいものを見たなあ。

今日は『憧れの住む東京へ』の「まえがき」「あとがき」を一気に書いて送付。『ここが私の東京』の再校ゲラが届く。午後は銭湯の支度をして、国分寺「七七舎」へ寄る。昭和記念公園での古道具・古本市に同店は出店。よく売れたそうだ。意外なものが、意外な値段で売れるというのは、ふだん古本屋に来る客層と違うからだ。

均一で三冊買ったところで、家に財布を忘れてきたことに気づく。七七舎の岡崎棚の売り上げを、少し早く精算してもらってしのぐ。急に銭湯へ行く気が失せて、そのまま帰ってしまう。小春日和の一日。学校帰りの小学生男子で、半袖の子あり。

善行堂へ電話。よもやま話。ぼくが京都へ、善行が東京へ来るようなことが、何かできればいいな、と話す。来年の目標。

王さんの髪、刈りたいなあ。

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これは「あの素晴らしい愛をもう一度」のB面でよく聴いた。ということはシングル盤を持っていたのだ。私の懐メロはこのあたり。

火曜は「テルメ小川」の日(と決めている)。ついでに、帰り散髪も。1200円。すぐに済む。ほんとは三カ月ぶりぐらいであったが、「二カ月」前と告げる。それぐらいでちょうどいい。前に「一カ月」と告げて、冗談じゃないよというぐらい切られ過ぎたことがあった。理容師は職業病のように、切りたがる傾向にあるのではないか。「喜劇 駅前飯店」に、王貞治が本人役で出演。理髪店の中国人店主・陳さんの三木のり平が、王の頭を見て「王さんの髪、刈りたいなあ」と言うのがやけに可笑しかった。

池波ブームが続いていて、来年一月の「平成会」での講義では、ぜひ池波正太郎の話をしようと準備中。西浅草の「池波正太郎記念文庫」へも行っておかないと。次回の「赤旗」文学館取材も、打診してあるが、OKが出れば「池波」で行こう。

そこにはただ風が吹いているだけ

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善行堂ブログで、高校一年のクラスの同窓会が大阪であり、仙台から参加したi浜が足を伸ばし、善行堂と京都で会ったと知る。i浜はただ一人、高校時代3年間同じクラスだった。クラブが同じの善行と仲がよかった。ぼくは同じ京阪沿線で、善行や仲間とi浜の家に遊びに行ったことがある。そのとき、シューベルツのLPを聞いたことを覚えていて、ずいぶんあとで善行に確認すると「いや、あれは俺が持っていったんや」と言う。そういえば、拓郎「伽草子」も善行発で、岡林「金色のライオン」もそうだった。善行の部屋にはアース・ウィンド・アンド・ファイアーのLPもあった。そう考えると、ずいぶん善行から音楽の影響を受けているのだと気づく。歌もうまい。冗談は天才。

i浜は高3のとき、何かあわてていて、次の時間までに「形而上学」について調べなあかんと言う。ぼくが「エンペドクレスが、最初の形而上学の悩みで自殺した哲学者で」と庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』受け入りの話を教えると、「そんなんはどうでもいいねん」と立ち去った。よく考えると、知識をひけらかしただけの話だ。i浜、すまぬ。

これまでにも書いたが、大阪在住のとき、東京へ行ったときは東京で就職(某大手電機メーカーの医療部門)したi浜の下宿に泊めてもらった。石神井だった。仙台へ行ったとき、一度、仙台の彼のマンションに泊めてもらっているし、もっとあと転職して介護タクシーの運転手をしている彼と待ち合わせ、話したこともある。小平時代、奥さんと一緒にうちへ遊びに来たこともあったな。i浜は、坊ちゃん育ちというわけでもないだろうが、まっすぐ育って、ゆがんだところのない男で好感度高し。ユーモアもある。

そういえば、通った高校に、嫌な奴(会いたくない、話したくない)が一人もいなかった。このこと、今振り返って、他の例と比べる時、珍しいことではないだろうか。ヒット中は、あまりに聞きすぎて、何とも思わなかったシューベルツ「風」が、この歳になって、めちゃくちゃいい歌に思えて、よくギターで歌う。もちろんボブ・ディラン「風に吹かれて」の影響下にある歌だ。

西武バス、本川越から新所沢へ。

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こういう陰鬱な空の冬の日に似合う「オーブル街」は松山猛加藤和彦の楽曲。森山良子さんに取材でお会いしたとき、「オーブル街が好きで」と僕が言うと、一瞬、間があって「そうですか、いい曲ですよねえ」と森山さんが言ったのだった。

昨日は5回目のコロナワクチン接種。1,2回目のことを考えたら、だいぶ空いている。すぐに順番が回ってきた。午後、本川越で。ペペ川越の古本市を覗く。2周するが、うまくヒットせず。「ブ」へ回り、梅安の6巻目を買い、これでコンプリート。新装版が出ているが、旧版の方には、池波インタビューの前にモノクロ写真のグラビアが挟み込まれている。だから旧版が買い、なのだ。

煙草の吸える「珈琲館」でひさびさに喫煙。しかしライターに火がつかず、店員に「マッチある?」と聞くと「はい、いますぐ」というが、5分経っても持ってこない。こりゃ忘れているなと近くの店員に改めて聞くと「いま、買いに行っております」というではないか。恐縮する。けっきょくBigのライターを買ってきたらしく貸してもらう。

帰りは、そう決めていたのだが、本川越駅前から新所沢駅まで路線バスに乗車。事故渋滞にひっかかり、約1時間かけて新所沢へ。運賃は480円。ほとんど真っ直ぐの道をひたすら南下、畑、工場、倉庫が広がる鉄道空白地帯。面白味はないなあ。けっこう客の乗り降りあり。バスを利用するしかない人たちだ。

 

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『ここが私の東京』「あとがき」を書き、「草野心平」編のゲラを返す。レンガを積むように、一つひとつ慎重に仕事をこなしていく。

伊東勝彦『パスカル講談社現代新書をちびちび読んでいる。よく出来た入門書で、杉浦康平デザイン時代のこの新書は質が高い。田辺保『シモーヌ・ヴェイユ』も名著。私が本を読むのはつまり、あまりに多くのことを知らなさすぎるからである。しかし、同著によれば「アリストテレスはあれほどの博学をもってしても、自分の持病さえなおすことができなかった。これに反し、無知なもののほうが、一般に健康であり、幸福でさえある」という。しかし、それでも人は考える。「考える葦である」がここに結び付く。葦は弱いものの象徴。宇宙は簡単に押しつぶす。「だが、たとえ宇宙がかれをおしつぶしても、人間はかれを殺すものよりは高貴だろう」とパスカルは言った。「宇宙は何も知らない」のだと。ちょっと感動しますねえ。

2017年の還暦の時、西荻ブックマークで記念のトーク&ライブを「こけし屋」でやった。そのとき、作ってくれた知人友人のコメントが入った小冊子『知らない岡崎武志を捜したり読んだり』を必要があって引っ張り出して読む。この時の感激は、「もうこの世に思い残すことはないな」であった。それから5年たった。

闇の彼方に灯りが

お風呂難民つづく。ニュースでやはり、給湯器が壊れ、現在品薄で半年待ち、という人が取材を受けていた。そうなのか。どんどん進化するため、旧式に対応できない(部品がない)、新式の在庫不足、モロモロ。昨日は週一の「テルメ小川」という温泉施設へ。でも30分もいると、もう飽きちゃうんだよね。しかし、夜はおかげでぐっすりだ。

三社の担当者からバラバラとメール。それぞれ対応する。来年1月に本の雑誌社から『憧れの住む東京へ』、ちくま文庫から『ここが私の東京』という上京本が2出る。『上京する文學』をあわせ三部作となる。これまで、あんまり反響がないのは、私の力不足。 

今朝のメールでアンソロジーの編になるが5月に中公文庫から1冊、とここまで決まった。「本の雑誌」新年1月号から始まる連載原稿も送った。週4の「サンデー毎日」の補填がこれらで埋まるわけではないが、とにかく前方の闇に灯りが点った。もうしばらくは生きないとな。かみさま、もうしばらく、お願いします。

『ここが私の東京』書下ろし新章「草野心平」編のゲラが届き、ユーミン「コバルトアワー」を聞きながらチェック、「あとがき」も準備する。ファイザー製コロナワクチン接種も予約完了。5回目になる。文庫カバー袖用に、上京した頃の写真をと言われたが、これがないんだよなあ。「テル」で撮ったのがあるはずだが。何もかも整理が悪い。