「dell」担当と親友になっちゃうよ

早起きして支度、早稲田へ。年に2回、生涯学習センターで年配者80名ほどを前に、話をしている。もう3回目。そのつど、話すネタを作らないとならない。でも熱心な聞き手で張り合いはある。今日は、坪内祐三さんの死、「サンデー毎日」掲載の小林亜星インタビュー記事の話、志賀直哉小僧の神様」を歩く、寅さんと渥美清、帚木蓬生『閉鎖病棟』』は泣けます、日本人を鼓舞しつづけた作曲家「古関裕而」、柳家小三治自伝、紅白歌合戦などについて話す。古関の話では、「とんがり帽子」「長崎の鐘」など、一部歌う。バカだなあ。

2時間近く話すとぐったり。終わって早稲田古本屋街へ。古書現世・向井くんと久しぶりにあれこれ話す。もちろん坪内さんのことも。坪内さんは、年に何度か佐久間さんと店へ来て「これから飲みに行こう」と連れ出したそうだ。坪内さんが来られない時は、向井くんの飲み代を佐久間さんに渡していたという。細かい気遣いが、育ちのいい都会人を感じさせる。最後の日のことも少し聞く。案じたような話ではなく、突然のことだったようだ。坪内死去のショックは、いま業界を嵐のように駆け抜け、人々をなぎたおしている。私もなぎたおされた。追悼の意味をこめて、古書現世で坪内さんの本を一冊買う。

昨日かいた原稿が、はねかえされて戻ってきている。なんだろうなあ、別の手で送ってみる。これがダメなら、またシステム管理者の「dell」に電話だ。もう、同じ担当者なら親友になっちゃうよ。