昨日、晴天。建国記念日、年に二度の庄野潤三邸公開日。どうしようかと迷っていたが、新潮講座の生徒さんTさんが、小林秀雄の講座も受講していて、そっちの関わりから知遇を得た英文学者の大島一彦さんと、そのお仲間たちで庄野邸へ行くという。大島さんはジェイン・オースティンジェイムズ・ジョイスD・H・ロレンスなどの研究で知られるが、早稲田大学時代の小沼丹の高弟でもある。それで、一度お引き合わせしたいとTさんに言われ、いい機会だと10名ほどの大島グループに合流し、午後、庄野邸へ。年々、訪問客が増えている気がする庄野邸公開。夏子さん、龍也さんに挨拶。夏葉社島田くん、ボランティアで案内をする武藤さん、牛越さんと言葉を交わす。この公開も、この日含めて、あと3回で終わる。なるべく来ようと思う。訪問者のなかに、新潮講座「幸田文『流れる』を歩く」の会に参加したという男性がいて、少し話す。jpic、新潮講座など、出会った人たちと庄野邸で再会するのは、うれしい。

生田の山をだらだら歩き下りて生田駅から小田急線で新宿。JR構内を改札をくぐってショートカット(そんなことができるなんて知らなかった)し東口へ。靖国通り沿いにある「三平」で打ち上げ。まだ日は高い。新潮講座からもう一人、Kさんがここに参加していて、私の顔見知りはこの人だけ(Tさんは遅れて参加)。よく言うよ、と言われそうだが、意外に引っ込み思案で、初対面の人たちと話すのは苦手である。20歳の男女、早稲田の院生もいて、そういう年代の人が、こういう会に参加するのが頼もしい。私のことなんて、誰も知らないが、いい気持ちで飲む。大島先生から小沼丹との交遊話をあれこれ聞けたのはよかった。メモしておかないと。

そういえば小田急線車内で、通路を挟んで前の席に座ったカップルの男性の方に見覚えがあって(役者さんかとも思う。その場合は一方的)、静観していると新宿駅が近づいたあたりで向こうから声をかけられる。やっぱり知遇のあった人だ。ただどういう人か、どこで会ったかが思い出せない。適当に言葉を交わして別れたが、そのあともずっと、出版社、西荻周辺の集まり、新潮講座、ビブリオ(中川フォーク)、飲み屋とあらゆるカードを切って記憶をたどるが、ひょっとして互いに別の人と間違えて話していたのかとも思う。