せきしろ・又吉直樹『蕎麦湯が来ない』

雨の日と月曜日は誰もが心が落ち込む、とカーペンターズが歌ったが、勤め人でない私にとっては、月曜日は新しい週が始動する心のはずみとなる(本当は日曜が始まりだが)。しかし、月のうち2回ぐらいは、週明けの原稿締め切りが入っていて、それはそれで、やっぱり少し重たいか。

17日は「東京新聞」の原稿締め切りで『追悼文選』の書評を書いて送付。1時間ぐらいで仕上がる。500ページ超えの本(50名に対する追悼文)を800字だから、やれることは少ないと腹をくくってとりかかる。東京新聞は原稿料、高いんだ。ありがたい。

午後はいつもより早いサンデー本選び。この日、午後からマガジンハウスで、せきしろ又吉直樹の新刊『蕎麦湯が来ない』の著者インタビューがある。地下鉄九段下から茅場町日比谷線に乗り換えて東銀座へ。新装なった歌舞伎座ビルに足を踏み入れるのは初めて。地下はお土産もの・グッズ横丁になっている。そうか、そうか。少し早くついたので周辺を散策。マガジンハウスでフリーライターの仕事をしていたのは、もう20年以上前のこと。私がかかわっていた「自由時間」は、本館から少し離れた第二別館にあった。「ダ・カーポ」などと同じビル。それでも、本館へもよく足を運んだし、編集者のおごりで、この周辺でよく飲み食いもした。歌舞伎座裏に、ビーフシチューのおいしい店があったが、これは今回行くとなくなっていた(まだあると判明、ごめんなさい)。うな重を食べたのはどこだったか。マガジンハウスと縁が切れて、ここいらを歩くこともなくなった。

サンデー担当記者のSさんと本館前で待ち合わせ、いざ出陣。会議室の一室では、この日4件取材を受ける(一媒体に与えられたのは30分)という、せきしろ、又吉両氏が待っていた。又吉さんとは久しぶり。「どうも」とあいさつすると、「どうも、お久しぶりです」と返事があったので、覚えていてくれたらしい。自由律俳句+写真+エッセイからなる二人の共著はこれで三冊目。前の取材班が少し伸びて、入れ替わりのタイミングでせきしろさんが小用に立ったので、正味25分ぐらい。すごいスピードで、用意した質問の構成案を片付け、なんとか時間内に着地する。ほっとする。