草いきれのする野の道を

地下の室温25℃。湿度86%。熱くない湿気のサウナに入っているようだ。メガネを目からはずし、頭にかけていたら、しっとり濡れている。頭から水蒸気が立ち上っているのなり。「つちうら」でロス・マクポケミス2冊買ったうちの『さむけ』を読了。暗さばつぐん、緊迫したストーリー。なぜ、そこに気づかなかった、オレはあほかという結末。そりゃあそうだよというトリック。ポケミスは文字の小ささを除けば読みやすい設計。折りごとに糸綴じになっているため(今はどうか)、残るページを裏へ折りたたんで読める。言ってること分かるかなあ、分かんねえだろうなあ(松鶴家千とせ)。

なあんにもやる気がしない。もうダメかもしれないとも思う。じつは、4月以降、ずっとそうだ。ゆっくり下降していってる感じ。本も読むが、音楽もかけず、ただぼーっとしている時間が増えている。何か考えたり、胸を去来することもあるのだろうが、書き留めもせず、ただ過ぎていく。反省もしたくない。したってどうなる。

「もういいから、ほおっといてくれよ」と独り言を言ったりもする。「何に対して、誰に」というのではなく、気分を言葉に表せばそうなるということ。谷川俊太郎さんなら、それで立派に一編の詩に仕上げるだろう。ただじとじとと雨が続き、蝉も鳴きどころを失ったか。草いきれのする野の道を歩きたい。