「鉄」を注入

台風接近にともなう止むことない長雨に閉じ込められて、家を出ない数日があった。ずっと本を読み、テレビやユーチューブで「鉄道」ものを視聴していた。鉄兜をかぶったように「鉄」が注入された。

初めて知ったBSTBSの「鉄道・絶景の旅」に魅せられる。「鉄」タレントが出て、あれこれ言うのもそれはそれで面白いが、これはナレーションのみの進行。ひたすら鉄路、車窓の風景、飲食店、宿を紹介する。私が見た回は「下関~日本三景」前後編の後編。宇部線常盤駅」から「新山口」、山陽本線で「防府」「富海」「柳井」などと途中下車していく。「岩国」から岩徳線(本当は「川西」が起点)。

ダーリンハニー吉川の「鉄道ひとり旅」は「鉄」マニア直球の番組で、再放送をときどきチェック。青森「弘南鉄道」は私も未踏の路線。吉川が行く先々で知り合いに会うというのもすごい。「中央弘前」は木造系ではないがシブい駅舎。プラモデルにしてほしい。「伯備線」「京急線」の回もしびれた。

「鉄」ユーチューブも見始めると山のようにアップされていてきりがない。嬉々として、ただ乗車し続ける映像にあきれながら感心もする。JR西日本の「新快速」がいかにすぐれた普通乗車券で乗れる「特急」かを、新大阪から京都まで試乗し、とぎれなく解説するのもあった。1985年までは、大阪から京都までノンストップで、新大阪、高槻にも止まらなかったとか、「山崎」駅は日本で唯一、ホーム上に府境(大阪と京都)があるとか、複々線なので通過専用の線があるとか、知らないことばかり。

古通」は次回、「仙台」編をすでに原稿を書き上げ、その次が「長野、上田」がスタンバイしている。12月はどうしよう。前から計画を練っているのは、都立大学駅から石川台まで、呑川本流緑道を歩くコース。「石川台」では、小津「秋刀魚の味」のアングルをチェックしたい。