時がゆっくり進み、バスに乗る

今年もいよいよあと3日。年が改まる境に向けて、明るい回廊を静かに歩くように時が進み、残り少なくなっていく気分が好きだ。晴れた日が続く。

今日は午後、七七舎の北村くんが車で家に来てくれ、2箱積んで、ぼくも一緒に助手席に座り七七舎へ。帳場のいちばんいい場所に2段、岡崎棚をふたたび作ってもらえることになった。100円の本を多く仕込むことにする。全部で50冊ぐらいか。いつも客でにぎわう七七舎であった。

行きの車中、北村くんとあれこれ話す。いま住んでいる、一階が駐車場で、二階、三階が住居という広く大きな物件が、来年2月に明け渡すことになっているとのことで、次に住む場所を画策中。そりゃ大変だ。何かの話の流れで「(古本屋を)やめるとなれば、スパッとやめるつもりです」なんて言う。なんだか、その気持ちも分る気がするのである。若く優秀なMくんという本が大好きな番頭がいて、彼に後を託すことになるだろう。まあ、すぐの話ではない。いずれ、なにかの機会に、ということであろう。北村くんだってまだ若い。

七七舎で棚に本を納入し、帰りは電車とバスで、と思い国分寺駅へ向かうと、ロータリーに「武蔵野美術大学行き」のバスが止まっている。連日、家内にあきれられるほどテレ東「バス旅」の再放送を見ていて、バスに乗りたくなり、これに初めて乗車する。武蔵美の手前、白梅学園前で降りて歩けばいいと思ったのである。30分ほどのバス旅。思った通りのコースをたどり、それはよく知る道であり意外性はないが満足。