唐津で「西海洞」さんにすっかりお世話をかけました。

そうですか、本日成人の日ですか。大変な時期に成人になった方々へ、これが何かのプラスになるような生き方をしてほしい、ってまたまたあ、似合わないことを。ぼくは成人式に出なかった。でも、別に後悔はしていません。

9と10、一泊で福岡行き。義兄と姉の家にあずかってもらっている老母を、長年住み慣れた京都へ戻して余生を暮らしてもらおうプロジェクトの一環である。弟も京都から乗り込み、話し合いを持ち、母の意志も確かめてそうすることになった。福岡は雪。翌日、「青春18」ラストの一回を使って唐津へ。2度目だが、前に来たのは20年前以上。古本屋「古時計」の印象しかない。唐津には「西海洞」増本孝さんがいて、ずっと何かとぼくのことを気にかけ、いろいろなものを送ってくれたり大切な知り合い。連絡して昼ご飯を一緒にすることになる(唐津屈指の料理旅館「きむら」で、ごちそうになる)。その前、1時間半ほど、レンタサイクル(500円)を借りて、唐津の町を散策する。静かで落ち着いた、いい町である。海岸近くに石垣が続く通りがあり、かつてこの一帯が藩士の屋敷町であった(「きむら」もここにある)。

すっかりごちそうになったあと、増本くんの車で糸島「ブ」へ。何も買えなかったが、地下と1階のある、元家具店という大型店でお客さんがいっぱい。すっかりお世話になった増本くんと前原駅で別れ、ぼくは博多へ。博多はみなマスクをしているものの、大変な人出で東京と一緒。飛行機までの時間、天神を歩き、健在の「入江書店」で古本。ご主人とも話す。これで「古通」の1回分は書けそうだ。安い航空券チケットが成田の発着で、アクセスで苦労した話は「オカタケな日々」(春陽堂書店ウェブ連載)に書きます。家に帰ったら、トイレが新式のものにすっかり変えられていた。この家に住んで19年、あちこちガタがきはじめ、手直しにお金がかかる。

飛行機、電車の移動中、司馬遼太郎義経』を読み「上」を読了。源氏と平家が対立する「中世」、知らないことばかりだ。源氏の系譜は「どの人物をとっても、日本史上かつてなかったあたらしい型の漢(おとこ)どもであった」とある。源氏は「馬」、平家は「船」で、後者は開港と宋貿易で権力を握る。義経は奥州に6年住むが、鄙の地で、中央貴族へのあこがれから、毎夜のごとく「種」をもとめて若い女性が同衾したという。大変だなあ。

今週は「オカタケな日々」45、46の締め切りのほか、「赤旗」試写室、「サンデー毎日」、「本の雑誌」ほか、「古通」と「高校教育」の原稿もあり、戸山平成会で年に2度の講演も回が回ってきて出講する。なぜか月半ばに集中する。がんばります。お金を少しでも稼がないと。