20年前のベルギー旅行残滓

蔵書整理と大量廃棄の作業で、さまざまなものを発掘。2002年9月に5名でベルギー旅行した際の、こまごました領収書やチケット類をまとめたものを発見。新宿からの成田エクスプレス、帰国してから新宿までのリムジンバスチケットまで保存してある。これは印象的な旅だったし、以来20年、海外旅行をしていない。家のローン返済や娘の学費など、かつかつの暮らしをずっと続けてきたのである。大げさに言えば、生きるのに必死だった。

「あんな時代もあったね」と、思い出深くこれら紙切れを見て外出。すると某所でばったり、一緒にベルギー旅行をした尾崎澄子さん(当時「興居島屋」を夫妻できりもり)と出会う。いや、オドロキオドロキ。ちょっと喫茶店で喋りたかったが、急いでいるようなので「これこれこう、で」とベルギー旅行残滓の話をする。「いっぺん、これ見ながら呑もうか」「ぜひ」と。

整理モードで数百枚はあるLPレコードもそっくり処分しようとも思ったが、たぶん幾らにもならない。プレイヤーが接続してあるので、レコードを聴こうと聴き始める。最初はジャッキー・マクリーンのフクロウのイラストジャケットのを聴く。これ、30年前によく聴いた。正月の中古レコードバーゲン(それでも一枚1000円前後)で、善行堂とよくレコード箱をあさっていた。そのときのものか。しばらくレコードを聴くことになるだろう。

八王子「白い扉」髙橋さんが、年賀状で、今年また個展やりませんかと誘ってくれた。あれは3年前の秋だったか。素描展。カタログ(盛林堂)まで作ってしまった。髙橋さんはずいぶんよくしてくれたし、楽しかった。1度ならまだしも、ちょっと不便な場所だし、お客さんがまた来てもらえるとは思っていないが、前向きに考えてみようと思う。何かする、ことが大事だ。大したことのない60代にカツを入れたい。