オカタケな日々48が更新公開されました。

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めったにそんなことはないのだが、昨日締め切りだった「サン毎」をやりきれず、今日、午前中に集中して書いて送付。中川五郎さんが新訳したフィリップ・ロス『グッバイ、コロンバス』を巻頭に書く。50年以上前に佐伯彰一訳があって、こちらは『さようなら コロンバス』。映画化もされた(ヒロインをアリィ・マックグロウ)。集英社文庫に入ったのをぼくは持っていて、見ると1988年に11刷りになっている。よく読まれたのだ。今回、佐伯訳と対象しつつ読み、その比較についての触れたので、えらく時間がかかった。主人公の青年は図書館に勤めている。ゴーギャンが好きな黒人少年が登場するのだが、忘れていたなあ。五郎さんは、1年前ぐらいに「中川フォーク」の時、今度『さようなら コロンバス』を新訳する、とおっしゃってた。ぼくは「それは、いいですねえ」と言ったのだが、ある意味、コロナ禍でライブが減った五郎さんにとって、翻訳に集中できる結果になったのではと推察する。佐伯訳は硬質で名訳だったが、いま読むと用語とか古いところがある(「おたんちん」なんて漱石みたいだ)。五郎訳はやわらかく清新。カバーデザインもいい。