中谷宇吉郎『寒い國』挿絵は柳瀬正夢

昨日は「サンデー毎日」のレギュラー原稿。今日は、急きょ、ひさしぶりに入った「赤旗」のテレビ評の原稿を書く。NHKで放送されるドラマ「流れ星」をDVDで見て、即書く。30分ぐらいで書いた。印象が薄れないうちに。松坂慶子主演。明日も1本締め切りあり。どうしても月半ばに仕事が集中しますね。ひまな時期もあり。まあ、おおむねひまであります。

昼はやきそば。コウケンテツの教え(「やきそば」というぐらいですから、ちゃんと焼いて)を守り、焦げ目がつくぐらい麵をしっかり中華鍋で焼く。

午後外出。「七七舎」で4冊。久しぶりに「でんえん」でクラシックでも聞きながらコーヒーをと、たどりついたら休業日だった。谷口ジロー『欅の木』をおいおい泣きながら再読し、原作の内海隆一郎を読みたくなって、この日意識して探したが「七七舎」になく、そうか「いとう」へ行けばいいんだと数年ぶりの「いとう」訪問。するとありました。光文社文庫『風のかたみ』。しばらく来ないうちに値付けが変わっていて(その昔は品切れ絶版に関係なく定価の4割ぐらいだった)、そこそこの値がつけられているものもある。値段はシール式で、そこに「痛み」「焼け」の情報も。

カバンがふくらみ、春の空気に包まれながら、駅へ戻り、ふたたび北口へ。「ジョルジュサンク」でアイスコーヒー(も美味いんだ)を飲みながら内海を数編読む。この店は喫煙できて、静かで、コーヒーもおいしく申し分ないが、照明が暗い。座る席によっては読書しづらい。卓上の照明に本を近づけて読んでいたら、変な姿勢になり、首筋が凝ってしまった。

「七七舎」で買った、初版は昭和18年岩波書店から出た中谷宇吉郎『寒い國』は裸本で痛みありだが、挿絵が柳瀬正夢であった。これはこれは。部数が奥付に書かれていて「30000部」だという。買ったのは昭和20年4月3刷りだったが、もう太平洋戦争末期、出版事情がいかなるものであったか。定価1円80銭。映画入館料が80銭だった。