『小山清全集』(筑摩書房)5000円

23 日晴天。絵を見たくなって小金井市「はけの森美術館」へ。小規模だが、落ち着いた雰囲気の美術館。収蔵展「中村研一手すさび」展。とくにスケッチ、水彩に目がいった。館を出るとまわりの風景が絵みたいに見えるのが不思議だ。コミュバスで武蔵小金井駅へ戻り、「中央書房」探訪。前沢さん、帳場で一生懸命即売会の値段貼り。ドストエフスキー関連が4段ある棚におどろく。『小山清全集』旧版(昭和44年)を見つけ引っ張り出すと5000円。外箱と内箱あり。その外箱に傷みがある。だから安くしたのか。ずっと前からこれは欲しかったのでこれを買う。蔵書にこれ一冊が加わると違うぞ、と思う。ちかごろない買い物だ。まあ、このところずっと古本を買い控えてきたので(「一箱」に出店していたころの10分の1ぐらい)、いいかと思ったのだ。

ずしりと重い袋をぶらさげて上気する。こういう時は間違いや失敗をしでかしやすいのだ。気をつけよ、と自分に命じる。最後「七七舎」へ寄り、店長北村くんがいたので、ひさしぶりによもやま話。いろいろ情報を得る。

娘に阪神が調子がよいことを告げ(8連勝のとき)、「もう、そろそろ敗けてもぜんぜんかまへんけどな」と言ったら、あれよあれよと3連敗。余計なことを言うものではない。全集で「西隣塾記」を本当にひさびさに再読。そうか羽村の話だったか。中里介山の塾に小山はしばらくいて、塾併設の印刷所で文選工をしていた。仲間に「案山(子)さん」と親しみをこめて呼ばれ、自分を「焼棒杭」のようなものだと考える。小山清の世界だ。羽村へ行って来よう。