夢はつかのまだと自分に言い聞かせて

29日、晴天。即売会がのきなみ中止で、開催中の所沢「彩の国古本まつり」へ。会場があまりに広く、密にならない。レジ前では行列。こんなに古本を買う人がいるのだとうれしくなる。半分くらい回ったところで、もう気力は残っていない。それほど広く、大量の本が並ぶ。『串田孫一文集 2』(筑摩書房)と長新太『海のビー玉』、タイトルとあらすじでも未読か既読か判断つかない、ローレンス・ブロック『死への祈り』を買う。マット・スカダーシリーズ。3冊で1000円ぐらい。『串田孫一文集』は本体価格6500円もするのだが。

会場を巡っていて気づいたことは、けっこう独り言を言っている男性客がいること。「へえ、平凡パンチだって。いつの頃のだろう」「特撮女優特集号かあ」などと雑誌の棚で大きな声を出している男性がいて、近くに仲間がいるのかと見たら一人だ。レジで採算したあと、にやにや笑いながら、ずっと喋っている人もいた。じつはぼくも危ないのだ。知らぬうちに独り言を言っている可能性がある。鼻歌なんかも歌ったりして。

「夢はつかのまだと自分に言い聞かせて」って何度も口から出て、何だったかと思ったらユーミンだった。素晴らしい歌詞だ。「夢はつかのま」までは常套句。そこに「自分に言い聞かせて」をくっつけるのが天才。ぐっと深くなる。

録画していたマルセル・パニョル監督「プロヴァンス物語/マルセルの夏」を見る。好ましく、可愛らしい映画だった。フランス郊外の丘のある風景が美しい。幸せいっぱいで終わると思ったら、その後、バタバタと人が死ぬことが報告される。

昨日の乱打戦とうってかわって、今夜の西武VS阪神戦。1点差の緊迫したゲームで敗戦。まあ、昨日、佐藤が3発打ったから、いいんです。