桂宗助改メ 二代目桂八十八襲名披露公演

14日(火)は多忙と閑却な一日。まず午前、通院している歯科医で左奥歯のなくなった個所に入歯を装着。いよいよ老人だ。治療はまだ続く。いったん家に帰ってとも思うが午後1時に新宿紀伊国屋前で上方芸能の評論でいまや第一人者の戸田学氏と落合い、「椿屋珈琲店」で2時間近く喋る。西条凡児上岡龍太郎浜村淳、いとし・こいしと上方芸能でこれまで空白部だった分野を次々と独力で埋めた功労者。私より6つ年下である。枝雀門下に落語家としてではなく弟子入りしたようなスタートから米朝事務所、「上方芸能」と、メインストリームを歩み続け多くの上方芸人から信頼を得た。

枝雀、米朝松鶴吉朝などのエピソードを話すのに、しぐさふくめ、そっくりそのままに再現する至芸を、目の前で見せてくれた。あっというまの2時間。楽しかった。この夜、紀伊国屋ホールで開かれる「桂八十八襲名披露公演」の関係者として上京されたのだが、ぐうぜんにも、散歩堂さんから誘われ、同公演のチケットを私も入手していた。この公演が素晴らしかったことは、別に書きたい。

夜までの間、九段下へ移動「サンデー」で本えらびを終え、再び夕景の新宿三丁目へ。夜までの時間がどうつぶすか。「世界堂」店内を散策、スケッチブックを一冊買う。新宿御苑へ向かうが、たっぷり時間があるわけではなく、外から眺めるにとどめる。65歳から入園料が半額の250円と知る。来年3月末にはこの特典が使える。またゆっくり来ようと思う。「大阪王将」で少し早い夕食。端末のタッチパネルによる注文。早くこういう流れに慣れないと。システム化された街へ外出することが、どんどんストレスになっていく。

朝刊の天気予報では終日「曇」であったが、夕方から雨が降り始める。公演を一緒に隣りで見た散歩堂さん(よくぞ誘ってくださいましたと心の中で手を合わせる)と、jr新宿駅を避け、丸の内線で荻窪経由で帰還。この方がよかった。仕方のない場合を避け、朝と夜の渋谷、新宿駅は回避したい。