「白焼き」を返送しわが手を離れた

もう26日ですか。昨日、亀和田武さんと某所で落ち合い、喫茶店で3時間半もおしゃべりする。3年ぶりぐらいであろうか。業界の大先輩から、学生時代の話、出版界のいちばんいい時代などをたっぷり聞く。坪内祐三さんとのことも。「亀坪倶楽部」というユニットを組むほど、二人は深い付き合いがあった。知らなかったこともいくつか。

パーティー嫌い、がつがつしない、威張らないという点できわめてスマートなスタンスで、この世界を泳いでこられた。成蹊大学在学中、アルバイトをしたことがないというからある程度、裕福な家庭に育った。その品のよさもある。膨大な情報量であったが、どれも興味深く、熱心に聞かせてもらった。中央線沿線の街の古い話も。

ほんじつ、春陽堂から『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』の最終、白焼きゲラが届き、最小限手を入れ、すぐ返送する。ついにわが手を離れ、これで11月3日の「白い扉」会期中に見本が間に合いそう。丸谷才一の口真似が目立ち、手を入れたくなったが、もう遅い。これからは気をつけよう。いまヤクルトが横浜に負け、これで今夜の阪神終戦を勝ったら、おおもしろくなる。佐藤が最終戦に、2発ぐらいスタンドに叩き込みそうな気がする。