白水社「日本風景論」をそろえるぞと誓う

本をすごい勢いで読んでいて止まらない。しかし、ずっと家にいると(しかもソファーの上)煮詰まるので、昨日、自転車でふらふらと国分寺「七七舎」へ。風がつめたく、走り出して1分で引き返そうかと思うが、えっちらおっちらペダルをこぐ。「七七舎」北村くんとは今年初めて。「田村書店」(大バーゲン中、閉店?)のこと、仕入れたばかりの萩原朔太郎猫町』初版(ガラスケースに入ったの以外は初めて見た)のことなど。「やばいっすよ」と北村くんは言う。たしかに「やばい」。

店の内と外で5冊買って、ひさしぶりに音楽喫茶「でんえん」へ。スピーカー前の2人席に陣取って、買ったばかりの本を広げる。ショパンピアノ曲、コーヒー、古本と完璧な布陣で30分ほどくつろぐ。吉岡実装幀の白水社「日本風景論」の一冊、井出孫六『峠』が100円。これは大好きな造本のシリーズで、ぜんぶ揃えるぞ、揃えて本棚のいい場所に並べるぞと誓う。函入りフランス装本体だが、うまく設計されていて、とても出しやすい。そして軽い。山に囲まれた信州佐久生まれの井出が、電車に乗って地平線を初めて見て感動する。その話に感動する。

ギターと同じ6弦で、ウクレレより少し大きい、ギタレレが欲しくなる。ハードオフで中古のヤマハが6000円強で売られていた。前も書いたが、「子どものように笑えないけれど何も考えず/駆けて叫んでそれから飛んで/何も考えず何も考えず/きれいに笑っていたいんです」(「暑中見舞い」)という岡本おさみ吉田拓郎のフレーズがよく頭をかすめる。