雪の日、あれこれ

昨日、日差し強く昼間暖かい。これで本当に明日(つまり今日)雪が降るのかと怪しんだが、今朝起きたらちゃんと雪だ。思うこと多く、なせること少なし64歳。そういえば、ビートルズに「64歳になったら」という歌がありました。

いま、NHKFMではフランシス・レイの「白い恋人たち」がかかっております。冬はやっぱりこれですよ。昨日遅く、「サンデー」の原稿を送る。フジモトマサルさんの作品集など。来週あたまに「四月と十月」の「彫刻」原稿締め切り。川越の太田道灌像か、羽村の玉川兄弟像か、いま悩んでいます。

本の雑誌」3月号着。「憧れの住む東京へ」連載掲載の最終号。ずっと毎月、届いていたので、これで終わりかと思うとさびしい。編集部あとがきで、担当のTさんが、連載終了のこと触れてくださっている。鏡明さんが『野呂邦暢古本屋写真集』のことを。あの写真に写った本を買ったとか、という話。驚きです。小山力也さん連載は鶴見「西田書店」。ここ、いい古本屋だ。また行きたくなる。

高橋順子『夫・車谷長吉(ちょうきつ、と読む)』を一気に読む。車谷長吉さんには新潮社でお目にかかっている。水藤(すいとう)さんというきれいな女性編集者が担当だったが、この本で退職され九州にいると知る。しかし車谷さん、私小説とはいえ、周りに迷惑かけすぎ。この本のことは、ちょっと書いておきたいので「オカタケな日々」で。

善行堂・山本善行から届いた桜美林文学会の文芸誌『言葉の繭』は充実した内容。善行が「同人雑誌の思い出」を書いていて、ぼくの若き日が重なっている。よく書いておいてくれたものだ。とくに、森園清隆(名前もいい)さんという少し年上の詩人との交遊、そして森園さんの発表詩ができるかぎり集められている。これ、貴重。ぼくが最初に生きている詩人(それも正真正銘の)と出会った最初の人。「けれど/いつも/だれかはリリーフ/である だれかが だれかの……/受けつがれたときは土の下で」で締めくくられる「リリーフ」は名作。あんまりいいんで、当時「わぁ」とびっくりしたほど。弱いことを身体感覚で書ける人だった。繊細すぎて、ちょっと変なところもあったが、それはこっちも同じ。じつに懐かしい。詩集を一冊、出させてあげたかった。善行堂書店がやってくれるかもしれない。でも、森園さん、どこでどうしているかがまったく不明なのだ。

森園熱から詩を読みたくなって松下育男『きみがわらっている』を読む。ひらかなを多用した恋愛詩。これ、いい詩集。