勝利はあまりに遠し

「逆上」

 

阪神について語りしと思へども

勝利はあまりに遠し

せめては新しき起用の働きを

心の慰めとするらん。

代打逆転満塁本塁打をみるとき

たてじまのふらっぐによりかかりて

これで勝ちとうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめほどはかない

うらみのもえいづる心まかせに。

萩原朔太郎「旅上」のパロディ)

ちなみに原作はこれ。

「旅上」

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。