今すぐ、九段下「昭和館」へ駆けつけよ!

流されていくように4月もあと少し。阪神、がんばっています。

昨日は、週3回発売となった「サンデー毎日」へ。これからは本えれびも月1となる。編集部で、その場で手書きで原稿を作っていた時代は毎週通っていた。竹橋に編集部があって、必ず神保町を経由して古本のにおいを吸っていたのであるが、九段下へ移って神保町からも足が遠のく。神保町ライターを名乗っていた耽溺の時期もあるが、もうこの名前は使えない。

本えらびを終え、九段下交差点「昭和館」へ。ばつぐんの立地で立派な建物なのに来館者がすこぶる少ない。5月8日まで開催中の「挿絵画家 椛島勝一と小松崎茂の世界」を見る。無料。椛島は戦前戦中、小松崎は戦後(我々の時代)に少年雑誌の挿絵で活躍。どちらも細部まで息を張り詰めた丁寧で細密な驚異の画業。堪能する。小松崎のタミヤのプラモデル箱絵は、小松崎と知らず見ていた。プラモデルの時代だった。

企画展会場受付でアンケート用紙に書き込むとピンバッチ(企画展特製)がもらえる。6種から1つ。大いに迷うが、椛島の「正ちゃんの冒険」を。玄関ホール自販機脇にガチャがあり、200円で1つ取り出すと、それを総合受付へ。なかに「当たり券」(私は2枚)が入っていて、大判の復刻すごろくが二種、これも雑誌付録復刻の玉入れがもらえる。なんという大判振る舞いか。入館料とピンバッチは無料だし。SF、児童文化、ペン画などに関心ある方はぜひ、すぐに駆けつけてください。午後1時半から2時まで消毒ほかの作業で閉館になる。私はこれに引っかかってしまったので注意。

椛島と小松崎の原画にはうっとりするが、多く中央で半分に切れ目がある。これは見開きで挿絵が掲載される際、両側にレイアウトするため切れ目を入れたのだ。しかもギザギザの切れ目。竹のものさしでびりびりと破いたのではないか。無残に心が痛む。原画の価値は尊重されず、むしろこうして残され保存されたのが奇跡なのである。