スターリングは内海敏彦の声がぴったり

書評依頼のあった600ページ超えの大著、中澤雄大『狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅』中央公論新社を1週間かけて、ようやく読み終える。佐藤泰志の住所遍歴が記してあって、国分寺市内で転々としているのだが、最後の住処と一つ前が日吉町。地図で確認し、自転車で現状を確かめに行く。もう30年以上だし、痕跡も残っていなかったが、現地に立ててよかった。しかし、これを書評するのは大変だぞ、とも思う。私の名前も一か所出てきて、そうだ、ずいぶん前に取材を受けたんだと思い出す。

リュック・ベッソン最初の長編『最後の戦い』を見る。最終戦争後、生き残った者たちのサバイバルをモノクロで撮影。しかも、「核」の後遺症だろうか、声帯が壊れ、みな言葉を発しない。異色の映画となった。

キッズステーション」で、「ラスカル」を2回分ずつ放送していることに気づき、あわてて初回から追いかける。そうか、そうしてスターリングはラスカルと出会ったのか。子どもを主人公にしたアニメは、たいてい大人の、ベテランの声優が吹き替えするのだが、「ラスカル」では、スターリングと実年齢に近い内海敏彦が声を担当。これがいい。微妙な心の揺れなど、内海のボーイソプラノ以外には考えられないはまり役である。内海は変声期を迎え、引退したようだが、それも潔い。

阪神、2戦ゼロ封が続き、ありゃりゃ、また元に戻っちゃったかとあきらめかけたが、青柳が投げ、大山が打ち、勝った。近本がかなり調子がよく、楽しみだ。