上林暁「花の精」聖地を80年後に

30日、上林暁「花の精」さんぽ。果たして今も「月見草」の群生は見られるのか。

こんな酔狂におつきあい願えるのは散歩堂さんだけ。提案すると「行きましょか」と西部古書会館で待ち合わせ、武蔵境駅へ移動。灼熱の太陽が収まるまで時間をつぶす。

プリシアター・ポストシアターへようやく行ける。映画、演劇を中心とした古本屋。関川夏央の『東と西 横光利一旅愁』を600円で買う。駅からけっこう歩く住宅街内。しかし行けてよかった。いい店でした。

前から行こうと思っていた杵築大社の富士塚も登る。ぼくはもうここで電池が切れ、「帰ろうか」と言うが「何言うてるですか」と散歩堂さんのうながしで、ぶじ西武多摩川線の終点「是政」へ。上林が月見草を求めて是政から多摩川へ行ったのは昭和15年(1940)。持参したテキストは書き込み(この日、西部の杉並展で買った澁澤龍彦『マルジナリア』はまさしく「書き込み」の意味)をした「花の精」収録の『武蔵野』教養文庫。80年後の多摩川。はたして月見草の群生は見られたか? 

これは2か所ぐらいで、パートを分けてくわしく書きます。散歩堂さんという連れがいなかったら、ぼくはもう途中で断念していました。夏はダメだなあ。