傷つきしものを酷暑の地におく

準備ととのわぬ中で、耕治人について書き出す。荒川(洋治)さんが上京して最初に住んだのが野方。散歩の途中「耕治人」の表札を見つけるというエピソードから。

煉獄のごとき酷暑つづく。囚人のごとく、家から出ない。ずっとクーラーを入れっぱなしだと、くしゃみが出た。夕方に止める。

「傷つきしものを酷暑の地(つち)におく」(長谷川素逝)

これは戦地のことを詠んだ句らしい。

「古書通信」連載、武蔵境「プリシアター・ポストシアター」について書いて送付。「古通」の原稿料は取材費、交通費はなしで見開き2Pが5000円。あまりの安さに卒倒しそうになるが、今となれば、これでも毎月確実に入ってくるならありがたい。どんどん謙虚になる私だ。10月に某所から原稿依頼あり。ありがとう。命のリレーは続く。

机上で「青春18」残り4回分の使い道をあれこれ考える。千葉の「勝沼」が異例に涼しいとニュースで知る。クーラーいらずで夏をすごす。30度超えを記録したことがないとか。何年か前、銚子が涼しいと聞いて「青春18」で出かけ、熱中症寸前までいったことがあるが、どうか。jrのみで、乗り換えが少ないのは、東京駅に出て、地下の総武線ホームから上総一ノ宮で乗り継ぎ、勝浦というコース。3時間16分で2640円。勝浦灯台が見たい。古本屋はなし。あたりまえか。灯台までバスはなく、歩くしかなさそうだ。

身延線に乗って「鰍沢口」へも行ってみたいんだよね。古典落語の名作「鰍沢」をなぞりたい。でも、グーグルで画像を見ると、駅前、ものの見事に何にもない。その「何にもない」ことを楽しむ「茶人」の気持ちが必要だ。

残された楽しみを全部、景気よく使う。