日暮れて道遠し

15日(土)は「オカタケさんぽ」の下見で、田園調布から九品仏まで歩く。30分も歩けば、もうしゃがみたくなる。情けないなあ。ずっと「陽のあたる坂道」だからな。じつは原作では田園調布ではなく自由が丘が舞台だ。自由が丘駅は旧「九品仏」駅で、東急大井線開通で、駅名を譲った由。

九品仏から旗の台で乗り換え、五反田へと思ったら、旗の台ホームで混乱。同じホームでも降りる階段で乗る線が違う。こういうことあるけど、ややこしい。降りたり昇ったり、また降りたりでなんとか五反田「本の散歩展」。久しぶりだなあ。月の輪、一路、聖智各氏に挨拶。来ると、また来ようと思う即売会だ。楽しいもの。一階の均一でうろうろしたら、ばったり林哲夫さんと遭遇。なんと。グループ展で東京へ来ていて、寄ったのだという。シルバーゼラチンさんが、例によって面白い紙ものを大量に出していて2点買う。海外旅行の古い荷札5点とか。時間を合わせて、コーヒーを飲みながらあれこれ林さんと快談。しかし、林さん、なんでも知ってる。近所のご隠居みたい。話せてよかった。

がさごそ書庫をしていたら、上京した頃の手紙類が。林哲夫さんが、けっこう手紙をくれて、東京ひとりぼっちの孤独をずいぶん慰められた。15日に会った際、そのことを言えばよかった。でも急だったから。

週明け、バタバタと締め切り二つ。「學燈」はラス前の原稿。春陽堂「オカタケな日々」は91と92。写真もイラストも送付。ほか、進行中のプロジェクト、慣れぬがゆえに個別の対応に悪戦苦闘。林さん曰く「それは、原稿書いてるほうが楽じゃないですか」。その通りだが……。オカタケ散歩の資料、「陽のあたる坂道」「乳母車」からの抜粋(二軒、図書館をはしごした)、自由が丘の地図をMさんに郵送する。

日曜夜、高校時代の友人Sから電話。長々と喋ったあげく「それでやな」と、同窓会のお知らせ。集まることはいいことだ。みんな懐かしい。しかし、そのためだけに帰阪する、というのが難しい。主に経済的事情から。ヒマなんだから、行きたいときに行きたいところへ自由に行けるようになりたい。日暮れて道遠し。

小林桂樹の「梅安」、やっぱりいい。軍鶏鍋に、いつものごとく、徳利から日本酒を最後に垂らす。これがうまそうなの。