オカタケな日々92がアップされました。

www.shunyodo.co.jp

無料公開になっています。お気軽にアクセスしてみてください。口癖と湘南モノレール、映画「大いなる驀進」について書いています。

『ここが私の東京』「あとがき」を書き、「草野心平」編のゲラを返す。レンガを積むように、一つひとつ慎重に仕事をこなしていく。

伊東勝彦『パスカル講談社現代新書をちびちび読んでいる。よく出来た入門書で、杉浦康平デザイン時代のこの新書は質が高い。田辺保『シモーヌ・ヴェイユ』も名著。私が本を読むのはつまり、あまりに多くのことを知らなさすぎるからである。しかし、同著によれば「アリストテレスはあれほどの博学をもってしても、自分の持病さえなおすことができなかった。これに反し、無知なもののほうが、一般に健康であり、幸福でさえある」という。しかし、それでも人は考える。「考える葦である」がここに結び付く。葦は弱いものの象徴。宇宙は簡単に押しつぶす。「だが、たとえ宇宙がかれをおしつぶしても、人間はかれを殺すものよりは高貴だろう」とパスカルは言った。「宇宙は何も知らない」のだと。ちょっと感動しますねえ。

2017年の還暦の時、西荻ブックマークで記念のトーク&ライブを「こけし屋」でやった。そのとき、作ってくれた知人友人のコメントが入った小冊子『知らない岡崎武志を捜したり読んだり』を必要があって引っ張り出して読む。この時の感激は、「もうこの世に思い残すことはないな」であった。それから5年たった。