66歳の峠越え

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善行堂が『憧れの住む東京へ』サイン入りを仕入れてくれて、告知してくれている。ありがたい。山本善行がすごいのは僕もよく知っている。関西在住の方、拙著サイン本が買えるのは善行堂です。よろしくお出かけ下さい。

今回『憧れの住む東京へ』100冊のサイン、イラスト入れのため、新しくイラストを用意した。最後20冊ぐらいは、前に作ったイラスト(それ用に100点以上、紙に描いて用意している)とは別に、動物、昆虫、植物などを用意して、新シリーズとなっている。100冊もイラストをすごいスピードで入れていくと、だんだん線がこなれて洗練されて、最後クレーの線(言いすぎやろ)みたいになっていく。われながらそれが面白い。絵を本職とする人の描く線がきれいなのは、毎日描いているからだ。

26日夜は西荻で「盛林堂」チームで新年会。小野くん、古ツアさん、そこに校正で古本者で旧知のSくんが加わる。もっぱら古本、古本屋の話。これが一番楽しい。そして、盛林堂書房出版部での新プロジェクトについても打ち合わせ。秋の神田の古本まつりに並べられるよう動く。早く飲み始め、9時には解散。これぐらいで終われれば、ちょうどいい。もう11時とか、日付が変わるまでとか、ぐずぐず飲みたくない。

中公文庫のアンソロジー本も始動。選んだ作品のゲラが近々届く。解説をたっぷり書かせてもらう。66歳の峠越えへ向けて、息をととのえながら坂を上る。

中央線が乱れ、少し早く出て荻窪。前から気になっていた、新しくオープンした「かいた」へ寄る。これは「古通」に書く。「古書ワルツ」へも久し振りに。本当は赤い函入りの吉岡実『ポール・クレーの食卓』を330円で。実に好ましい造本。