武蔵小金井さんぽ

無為に連休が過ぎていく。いつもそうだが。今週土曜(26日)、久々の「新潮講座」(大岡昇平『武蔵野夫人』を歩く)、絶滅かと思ったがそこそこの参加者がある由。挙行、ということで武蔵小金井まで下見に出かける。古本「ジャンゴ」(ジャズのCDが廉価で大量に)、「中村文具店」を回り、はけの道から「はけの森美術館」へ、という前半コース。「美術館」は休館だった。野川へ出て、薬師通を西進、滄浪泉園まで何とか歩く。本当はこの先、貫井神社を経て国分寺まで、と思ったが、いやいやとんでもない。へばってしまう。4キロも歩いていないと思うが、情けない。コロナ禍半年で相当、足腰が弱ったみたいだ。あちこち歩くことにしよう。

武蔵小金井駅南の再開発は甚だしく、すでに高架下「nonowa」や「イトーヨーカドー」ほか、商業施設が詰まっているが、さらに秋、「ソコラ武蔵小金井クロス」という巨大ショッピングモールが出現。北口は「西友」閉店はじめ、旧市街のようにさびれていく。

帰り、国分寺下車。「七七舎」で由紀さおり+ピンク・マルティニのCDほか、中野孝次展図録などがさごそ買って「ジョルジュ・サンク」で喫煙。満席で、後から来る客を断っていた。500円のブレンドがおいしい。『武蔵野夫人』精読。映画「武蔵野夫人」で田中絹代の実家はセット、歩く野川も別の川でロケされた由。

プリンター紙詰まりお手上げ

春陽堂「オカタケな日々」2回分、まとめて送るのだが、締め切りが早まっていたようで、メールで督促があり、あわてて途中までだったのを2回分超高速で仕上げ送付。イラストは送付ずみ。写真も送付。こういう手間を惜しんでは廃業するしかないが、手間だなあ。全部、一人でやっているのだからなあ。年収1億ぐらい稼いで、秘書を雇いたいが、この稼業で年収1憶となったら、どんな締め切り地獄が待っているか。ほどほどがいい。

連休前にゲラも、各種まとめて送られてきて、「明日中に返してくれ」というものも。不在でメールを見てなかったら、どうなるのだろう。カレンダーに赤、赤、赤の数字が続くのは、そうか連休なのか。「大人の休日倶楽部パス」を久しぶりに行使するため、駅の券売機で購入。ついでに3回、指定も取る。4日連続東日本圏内、新幹線も含めすべてフリーで、6回まで指定も取れる。始発、自由席ありの便は指定を取るまでもないが、不安な便は取っておく。4日全部使えないかもしれないが、秋田「湯沢」へ行こうと思っていて(出身の菅首相とは関係ない)、片道一回だけで「大人の休日」料金の元は取れる。片道5時間の旅程。

プリンターが紙詰まりして、もうお手上げ。江戸時代はよかったよ。中旬の締め切りラッシュを過ぎたら、小春日和の日々だ。連休中、どこか低山ハイキングにでも出かけるか。

岡松和夫『断弦』を入手

月の中旬に仕事が固まってくるようだ。せっせと原稿を書く。

ひさしぶりの「ビッグイシュー」は単発で、心静かに読む物語みたいなテーマで10冊選んで解説する。選んだ10冊を挙げておく。本文は、路上販売員さんからお求めください。

ジュンパ・ラヒリ『停電の夜』(小川高義訳・新潮文庫

森鴎外高瀬舟』(集英社)から「じいさんばあさん」

カズオ・イシグロ。『日の名残り』(土屋政雄訳・ハヤカワepi文庫)

寺田寅彦『科学歳時記』(角川ソフィア文庫

堀江敏幸『いつか王寺駅で』(新潮文庫

星野道夫の文・写真『クマよ』(福音館書店

アイザック・ディネーセン『アフリカの日々』(横山貞子訳・河出文庫

ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』(駒月雅子訳・ハヤカワ文庫)

三浦哲郎『盆土産と十七の短篇』(中公文庫)

10青山七恵『ひとり日和』(河出文庫

 

「すこーれ」原稿を午前中に送付。昼は冷やしそばを作る。まだ「サン毎」が残っているが、しばらく手をつける気になれない。頭がヒートアップしております。

先日、好書会で岡松和夫『断弦』文藝春秋が買えたのが収穫。いや、岡松和夫の本なんて、見ないよ。荷風平井呈一偽書事件と破門にいたる確執を、それぞれすぐわかる変名で、平井側から描く。一方的に悪者にされた平井に寄り添うのは、岡松夫人が平井の姪、という関係もあったから。

「一葉記念館」見参。

土日が雨という予報だったので、金曜つまり11日、午前中に1本、書評原稿を送って(昼まで、というタイトな締め切り)支度して外出。「赤旗」文学館取材で、台東区竜泉の「一葉記念館」へ。鶯谷からコミュバス「めぐりん」に乗り(道中楽しかった)、吉原大門で下車。見返り柳を撮影してから吉原を抜けていく。現役のフーゾクの吉原の町を歩くのは初めてかもしれない。「カストリ文庫」は見つけられず。ソープ街は健在で、なかなか凝ったネーミングの店が多数、男性の「精」を搾取せんとどの通りも櫛比して待ち構えている。客引きの男性も多数見る(こんなことは「赤旗」には書けない)。ぶじ「一葉記念館」で取材。ここはクオリティの高い、いい文学館だった。周囲の雰囲気もいい。ところが来館者はぼくひとり。帰り、あれこれチェックしながら日盛りを影を選びながら歩き「入谷」駅から帰ったが、どこかへ寄る余力なし。いやあ、暑かったです。歩数5000歩ほどでグロッキー。これでは「ローカル路線」バス旅はできません。宮地真緒なんか四国へ歩いて橋を渡るのに泣いてたもんな(あれは無茶だとぼくも思った)。

車中、最後のマネージャーだった男性による『ちあきなおみ』新潮社を読む、いやあ、面白い面白い。郷の死後、悲しみの底にあり、ちあきも歌手復活を迷ったが、けっきょく果たせず。そのことが、この本を読むと、これは仕方ないなあ、と納得できるのだ。

今日は「赤旗」文学館連載と、「ビッグイシュー」の静かな物語10選に取り組む。録画しておいた(昨今はリアルで観ることなく、ほとんどの番組は録画したのを観る)六角精児「呑み鉄」再放送をふたたび観る。

ようやく朝夕、涼しくなってきた。もう少しの辛抱だ。あいかわらず本はむちゃくちゃ読んでいる。音楽をあまり聞かなくなった。なぜだろう。新しい弦を張ったギターも弾かない。今月末締め切りの「オカタケな日々」2回分のイラスト2枚を描く。「島木譲二」と加東大介主演「映画 鬼火」。

オカタケな日々35

「オカタケな日々」35が更新、アップされました。

https://www.shunyodo.co.jp/blog/2020/09/okatake_35/

朝早起きし、通勤電車に乗り新宿、バスで戸山生涯学習館へ。年二回、年配者を相手におしゃべりしている。もう3回目か4回目。コロナ禍で出席者は半数限定となり約50名。2時間弱、休憩をはさんで、さまざまな話題をあれこれ喋る。さすがに疲れ、早稲田の古本屋街へも立ち寄らず帰還。「赤旗」の文学館取材(一葉記念館)をしようと思ったが、元気がない。後日に持ち越す。特快で国分寺下車。「七七舎」へ。店長の北村くんに用があったが不在。店内と店頭で3冊。これをもって「ジョルジュ・サンク」へ。ここは珍しく喫煙可の喫茶店で、ひさしぶりにタバコを3本吸う。いったい、いつぶりであろうか。ずっと書き物をしている若者がいて、煙管でたばこを吸っている。落語ファンであろうか。隣の店が工事中で、ずっと騒音が壁から響く。

依頼のあった書評が明日の昼までと気づき、猛ダッシュでゲラ段階の原稿を読む。初めての著者で、ノリをつかむのにしばらく試運転、という感じで読む。日が暮れると、さすがに涼しくなる。またウォーキングを復活させたい。大田区の温泉銭湯にも入りたい。ローカル路線乗り継ぎの旅Zのマドンナ・水野裕子(大ファン)の回で、新潟・万代バスセンターの立ち食いで「バスカレー」を水野の所望により食べていた。黄色いカレーだが、うまそう。3人は上荒沢から鰍江沢まで12キロを歩いていたが、夏は過酷だ。はっきり言ってこれは危険ですよ。こないだ、ぼくは銚子で2キロでも倒れそうになった。

安中の亜鉛工場が美しい

9と10日がともに仕事でダメで、8日が「青春18」5回めが使える最後。小淵沢から清里、あるいは信越本線で安中と、2とおり準備していたが、当日出足が遅れて安中へ。駅から旧碓井郡役所、安中教会などを見て、磯部駅(駅前に温泉施設あり)まで約5キロを歩こうなどと思っていたが、とんでもない話で、まだ日差しは強く、安中教会でダウン。ふらふらになりながら市役所まで歩き、バス(があると聞いたので)の時刻表を見ると1時間40分ほど待ち。涼しければ駅まで歩くが、ちょっと本当に危険な体調で、ずっと市役所のロビーで休んでいた。レンタサイクルがあればなあ。しかし安中駅南から丘陵に広がる亜鉛工場がすばらしく絶景。これを見るためだけでも安中駅に来る価値はある。と負け惜しみ。安中の売りは新島襄で、大河のときは盛り上がったろう。

村上春樹訳マッカラーズ『心は孤独な旅人』を読む。北村薫慶應本科と折口信夫』があんまりいいので驚いた。父親の遺した日記をもとに父が生きた若き時代を追想する。「いとま申して」3部作の2。これは1と3も読まねば。むむむと思った箇所多く、付箋だらけになったが、大正期末、気温27や28℃で暑く感じたという。35℃なんて、考えられなかったろう。8月も後半になると涼しくなったのである。長距離の鉄道料金が、同じ区間で下りより上りの方が高かった、というのも初耳。

知らない町を

午後、スーパーへ自転車で買い物に出かけ、帰り、短時間の土砂降り豪雨に見舞われる。全身ずぶぬれとなる。帽子をかぶっていてよかった。むしろすがすがしい気分だ。夜半、ふたたび突如雨、止んで虫の声す。単調な日々が半年ばかり続いている。首相選挙立候補の岸田、石破ともに63歳と同い年だ。

トム・フランクリン『ねじれた文字、ねじれた路』(早川文庫)読了。このところ読む、このタイプのミステリ、ほとんど解説が池上冬樹さん。池上解説のものは間違いないということなのか。仕事の本とは別に、ほとんど一日一冊読了。

「サンデー」書評、『ルポ 車上生活』ほかについて書く。トレーラーハウス生活(「リーサル・ウェポン」でメル・ギブソンが浜辺に停めてそうしている)とは違い、普通車(軽自動車も多い)で、道の駅駐車場などで生活する人々のルポ。そういう暮らしに、じつは、少し憧れがある。しかし、車があると財産とみなされ、生活保護は受けられないそうだ。廃車ならどうか。タイヤのはずれたバスの中を改造し、一部だけベッドとしてロングシートの座席を残し、残りスペースで生活する。本もけっこう置けそうだ。

青春18」の残り一枚、どう使うか検討中。やっぱり中央本線に乗って小淵沢小海線に乗り換え、どこかの未踏駅で降りて散歩して帰ってくるか、などと考える。知らない町を歩いてみたい/どこか遠くへ行きたい。高原だから少し涼しいはず。