安中の亜鉛工場が美しい

9と10日がともに仕事でダメで、8日が「青春18」5回めが使える最後。小淵沢から清里、あるいは信越本線で安中と、2とおり準備していたが、当日出足が遅れて安中へ。駅から旧碓井郡役所、安中教会などを見て、磯部駅(駅前に温泉施設あり)まで約5キロを歩こうなどと思っていたが、とんでもない話で、まだ日差しは強く、安中教会でダウン。ふらふらになりながら市役所まで歩き、バス(があると聞いたので)の時刻表を見ると1時間40分ほど待ち。涼しければ駅まで歩くが、ちょっと本当に危険な体調で、ずっと市役所のロビーで休んでいた。レンタサイクルがあればなあ。しかし安中駅南から丘陵に広がる亜鉛工場がすばらしく絶景。これを見るためだけでも安中駅に来る価値はある。と負け惜しみ。安中の売りは新島襄で、大河のときは盛り上がったろう。

村上春樹訳マッカラーズ『心は孤独な旅人』を読む。北村薫慶應本科と折口信夫』があんまりいいので驚いた。父親の遺した日記をもとに父が生きた若き時代を追想する。「いとま申して」3部作の2。これは1と3も読まねば。むむむと思った箇所多く、付箋だらけになったが、大正期末、気温27や28℃で暑く感じたという。35℃なんて、考えられなかったろう。8月も後半になると涼しくなったのである。長距離の鉄道料金が、同じ区間で下りより上りの方が高かった、というのも初耳。

知らない町を

午後、スーパーへ自転車で買い物に出かけ、帰り、短時間の土砂降り豪雨に見舞われる。全身ずぶぬれとなる。帽子をかぶっていてよかった。むしろすがすがしい気分だ。夜半、ふたたび突如雨、止んで虫の声す。単調な日々が半年ばかり続いている。首相選挙立候補の岸田、石破ともに63歳と同い年だ。

トム・フランクリン『ねじれた文字、ねじれた路』(早川文庫)読了。このところ読む、このタイプのミステリ、ほとんど解説が池上冬樹さん。池上解説のものは間違いないということなのか。仕事の本とは別に、ほとんど一日一冊読了。

「サンデー」書評、『ルポ 車上生活』ほかについて書く。トレーラーハウス生活(「リーサル・ウェポン」でメル・ギブソンが浜辺に停めてそうしている)とは違い、普通車(軽自動車も多い)で、道の駅駐車場などで生活する人々のルポ。そういう暮らしに、じつは、少し憧れがある。しかし、車があると財産とみなされ、生活保護は受けられないそうだ。廃車ならどうか。タイヤのはずれたバスの中を改造し、一部だけベッドとしてロングシートの座席を残し、残りスペースで生活する。本もけっこう置けそうだ。

青春18」の残り一枚、どう使うか検討中。やっぱり中央本線に乗って小淵沢小海線に乗り換え、どこかの未踏駅で降りて散歩して帰ってくるか、などと考える。知らない町を歩いてみたい/どこか遠くへ行きたい。高原だから少し涼しいはず。

ふらふら生きている

9月に入り、ようやく少し涼しくなった感じか。地下の室温26℃台に下がり、クーラーの必要なし。いくつか仕事の依頼あり(「北海道新聞」「週刊現代」「ビッグイシュー」など)、いくつか締め切りをこなす。某社から出る阿佐ヶ谷本のイラストの依頼があり、取り組むがどうもうまくいかず、やっぱり毎日のように筆を動かして描いている人のようにはいかない。タッチもバラバラ。それでも何とか仕上げて送付。

9月から、ようやく講座や講演が再開。「新潮講座」も、この先特別なことがないかぎり、9月末、大岡昇平『武蔵野夫人』の舞台を歩く。年二回、もう4度はやったか、新宿区の高齢者相手の講演(戸山学習センター)、話の準備をする。「読書」がテーマで、本の話もするが、ほぼ全員が私より年上なので、昭和の懐かしい話を折り込みたい。最近読んだ本の話も。これで2時間(休憩、質問を除けば1時間半ぐらい)を持たせる。困るのは、担当者が、講演の始まる前と休憩時、ずっとくっついて喋りかけてくることで、それがおもてなしと考えていらっしゃるようだが、じつは一言も口をきく元気がない。一人で、そっとしておいて欲しいのだが、それを言っていいのかどうか。じつに細かいことを気に病みながら、ふらふら生きている。友川かずきの剛毅、自由さをうらやましいと思う。

ギターの弦を、2,3年ぶりに張り替える。40年近く連れ添ったヤマハのギターもボロボロだ。一度もメンテナンスもしていないので廃品同然。頭を去らないよしなしごとを抱えつつ、仕事の本を含め、あれこれ、すさまじく読んでいる。読書マシーンだ。

銚子へ

いつも気温が都心より4度ほど低い「銚子」へ、青春18で。4時間ほどかかる。しかし、銚子は暑かった。海風は涼しい。銚子電鉄終点「外川」から海沿いに犬吠埼灯台まで歩くが、これが無謀で、軽度の熱中症で本当に倒れそうになった。バケツ一杯分くら汗をかく。「okatakeな日々」に写真つきでくわしく書きます。

車中ではローレンス・ブロック『墓場への切符』を読む。

南柏フィールズ古本市

言うまいと思えど続く酷暑かな

なんだかセミも元気なさそうで、例年のガシャガシャと頭上で鳴くのが、今年はどうもないようだ。セミの死骸も道路で何度か目撃。

昨日は「青春18」3回目を使って南柏フィールズ古本市へ。往復2000円ぐらいで、「青春18」を使うのはもったいない、と鉄人たちに言われそうだが、まあこういう1回があってよい。フィールズは駅から歩道橋で直結した商業施設。しかし、客の姿は少なくガランとしている。古本市で2冊。「大江戸そば」でかきあげ蕎麦。このあと「柏」太平書林を訪ねるが、店が閉まっていた。一人できりもりされていて、午前中は買い取りなどで動かれる由で、帰りが遅くなるとこういうこともあるようだ。わずか数百メートル歩くだけで、くらくらしてくる。街歩きは、もう少し気温が下がらないと。

あきらめておとなしく帰還。西荻下車。「音羽館」広瀬くんと「物豆奇」でお茶。あれこれ情報交換。「盛林堂」へも寄る。帰り、中央線が人身事故でストップ。国分寺までよたよた戻って停まってしまう。あきらめて下車し、喫茶店で待機。福島正美『未踏の時代』(ハヤカワ文庫)を読了。

すいすいと秋の虫の声

https://wwhttps://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=24694w6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=24694

門脇麦出演「夢の本屋をめぐる冒険」昨夜と今夜。この小芝居の舞台に、国分寺「七七舎」が使われた。その撮影の日に、たまたま訪れて、昨夜番組を見た。パリの「シェイクスピア&カンパニー」書店の話が中心。その導入に門脇麦千葉雄大という若手男性俳優が店長とバイトという関係で登場(「美の壺」といい、NHKはこういう小芝居をつけるのが好き。いらないと思うが)。そして、今日、ふたたび「七七舎」へ行ってきた。北村店長がいて、いろいろ撮影秘話を聞く。番組ではいっさい「七七舎」の名前は出ず。幌の名前も消され、最後のロールに撮影協力で店名も出ない。徹底している。

「七七舎」均一で、ブローティガン『愛のゆくえ』新潮文庫裸本を買って、帰宅し、イラストをつけ彩色するが、しっぱい。色使いが悪い。

夜、すいすいと秋の虫の声す。