チャーハンは中華鍋を火から離さない。

今週いっぱいぐらいで、梅雨は明けそうか。わだかまる日々。

昼は外食と思ったら、しとしと細い雨が降っている。仕方なく、一人で昼食にチャーハンを作る。ソーセージを細切れ、ネギを切り、カニかまぼこをほぐし具材を揃えておく。冷凍ごはんを解凍、熱した中華鍋に溶き卵を投入、すぐにごはんを。ここで卵をごはんにからませて塩コショウ。具材を一挙に入れる。ここから鍋をあまり動かさない。中華店のように火力が強くないから、なるべく火から鍋を離さない。むしろ鍋面に押し付けるようにして、何度かひっくり返す。中華味の顆粒、最後に少し醤油を足してできあがり。「美味しんぼ」だったかで、チャーハンは、激しく鍋を空中にはね上げて、はみ出したごはんが下からの火力にあおられて……みたいなことをやっていたが、家庭ではこれは禁物なのである。火から鍋を離さない。これがコツである。カニかまぼこがいい仕事をするのである。チャーハンは家で作ってもそこそこうまい料理の一つ。

あいかわらず植草甚一。そして新潮文庫「日本文学100年の名作」の第七巻、『公然の秘密』を読む。秀逸なアンソロジーのシリーズで、未読の名作と出会える。安部公房「公然の秘密」、三浦哲郎「おおるり」など、ドキッとするほどいい。前にも書いたかもしれないが、筒井康隆「五郎八航空」は「船徳」、富岡多惠子「動物の葬禮」は「らくだ」と、それぞれ落語を下敷きにしている。分かる人は分かるはずである。

恵贈してもらった『山田稔自選集Ⅲ』(編集工房ノア)を読み始める。