ドラマに刻まれた廃線「屋代線 綿内駅」

昨日、秋の晴天、暖かい一日。夕方、西荻「粉屋時次郎」で、w夫妻主催による、西荻会があり、それにあわせ動く。まず高円寺西部会館即売会へ。数冊買う。ここで散歩堂さんと待ち合わせ、ともに西荻移動。ちょっと早く着いて、お茶でも。「それならどんぐり舎でも行きますか」と誘われ北上。その手前角に昔からある喫茶店が、ある時「村田商会」と名を改め、若い夫妻が引き継いで営業を続けていた。ここへ入りませんか、と入る。一杯、いっぱい丁寧に入れたコーヒー。女子っぽい雰囲気の店だが(廃業した喫茶店の備品を販売している)落ち着くなあ。

夕方から鉄板を囲み、7名の「お好み」宴会。久々に人々と憩う。w夫妻に感謝である。帰宅して早寝して夜中目覚める。録画しておいたプレミアムカフェで、池端俊作脚本「約束の旅」は1987年の作。呉の海上保安庁に勤める役人の一家の話。弟の突然の家出で、危うい均衡を保っていた一家が裸形にさらされ混乱する。一家で大阪にいるという子どもを探しに出かけ……。

最後、子どもは長野にいると分かり、また移動。最後、子どもを保護して長野を去る、その寂れた木造駅舎が映り、「わたうち」と平かなの駅名表示がホーム柱に。「わたうち」ってどこだろう。これは廃線になった長野電鉄屋代線」(屋代~須坂)の一駅「綿内」と知る。ずいぶん昔家族旅行で長野へ行った時、この屋代線に乗り「松代」で降りている。池田満寿夫美術館があって訪ねたが、ほかに来館者はなく、その後閉館。行っておいてよかった。長野電鉄には、これも廃線になった「河東線」(信州中野~木島)という線もあったと知る。間違っていたらごめんなさい。私が愛用する『でっか字まっぷ 長野・松本』は2003年刊の版で、まだ屋代線「綿内」が掲載されていた。古い地図は役に立つ。

池端は呉の出身。大学で政治史を学ぶが芝居に入れ込み、卒論をかけそうにない。すると担当教官が「きみからちゃんとした卒論を受け取ろうとは思っていない。これからは『個と国家』を主題に仕事をしてほしい」という意味のことを言った(正確にはあらず)。えらい先生がいたものだ。池端はそれを心がけて脚本の道へ。「ある時代を描くのに、家族(小さな単位)を扱うのがいい」と考える。これも「個と国家」のひな型であった。