寝転んで劣化がすすむ秋の雨

つめたい雨の朝である。いっきょに冷え込む。ついこないだまで半そでを着ていた。土日は働かないので、月曜は多忙である。土曜日夜、西荻お好み焼き屋で、原夫妻主催の大阪弁お好み焼き大会第二弾。大阪出身でない人もいたのでもうしわけない。

日曜日は昼、池尻へ。「新潮講座」の常連Tさんと親しくなり、奥様にもお目にかかったり、一度自宅へ招いてもらってゆっくり話をと言っていたのが実現した。最寄り駅池尻大橋は渋谷経由だが、日曜の渋谷はパスしたい。井の頭線駒場東大前」から歩くことに。初めてのコースで楽しい。途中、崖線で土地が二分されている。ジグザグの長い階段を下りることに。

T邸(高級マンション)ではたのしい一日を過ごし(よく喋った)、帰りはバス乗り継ぎで三鷹へ。これが、えらく時間がかかってしまった。自宅までもバスに乗ったので、バス旅だ。尻がいたくなる。

月曜は「オカタケな日々」2本と「學燈」の締め切り。午前中に集中して前者を仕上げたら頭の中が真っ白になる。頭が壊れたらしく、返すゲラ2本のうち、A社のを、Bに送ってしまい「間違って送られてきましたよ」と電話がきて、つぎに送りなおしたらCへ。また「間違って」と今度はfaxで。呆然とリビングで立ち尽くす。

午後もきゅうきょ、新著の「あとがき」を猛スピード、ノンストップで仕上げ、また沈没。ほとんどソファで寝転がる。恐ろしいことだが、劣化が進んでいる。休憩時に見た田中徳三監督、勝新主演の『駿河遊侠傳 破れ鉄火』が素晴らしいので驚く。カメラは宮川一夫。音楽は伊福部昭。いわゆる次郎長一家旗揚げの物語だが、どの絵を切り取っても美しく完璧な構図に溜息が出る。子分役の水原弘もいい。80点。