細野晴臣「HOSONO HOUSE」は、入間市に隣接する福生米軍住宅で録音

いよいよ押し詰まった年の瀬。車を洗う。今年はとうとう運転することはなかったが、毎年、洗車は私の役目という感じになっている。家の前で、何度も、繰り返し長電話をしているスーツ姿の、30代ぐらいのビジネスマン。目障りでうるさくて、うっとおしい。水をかけてやろうと思うが、いやいや、こうして年の瀬にふんばって、仕事をしているのだと思うと、いとおしくなる。水をたっぷり、こうして使うことが、あんまりなくて年に一度の宗教的儀式みたいに思えてくる。それに昼は暖かかった。

『ブライヅヘッドふたたび』を読了。ち密でゴージャスな読書となった。ウニ、いくら、中トロ、エビなどが乗っかった海鮮丼を食べた気分。ただし、カトリックに関する重要な宗教論議はついに、腹の底に落ちてこなかった。それは私の限界であり、しかし、この長編の重要な主題でもあるのだ。

「地獄に行かない為には、自分の意志を働かせて、自分がしたことを後悔して再び神の許に戻ることを望まなければならない。そうだね。併しその人間がそれを本当に望んだかどうかを知っているのは神だけで、司祭にもそれは解らない」

というのは、書いていることは分るが、それが腑に落ちるかどうかというと心元ない。とにかく立派な作品だ。ジュリアとチャールズを決定的に結びつけるのに、偶然乗り合わせた客船を嵐に遭わせ、必然的に接近させる手立てなど素晴らしい。

門間雄介『細野晴臣と彼らの時代』文藝春秋、面白く読了。はっぴいえんどのメンバーがだれも酒を飲まず、甘いものを食べながら、大滝と細野が大喜利みたいな冗談を言いながら移動した、など発見多し。ソロアルバム「HOSNO HOUSE」は福生の米軍ハウスでの自宅録音だとは知っていたが、稲荷山公園近くの町名は鵜ノ木で、最寄り駅は西武池袋線入間市」か「稲荷山公園」であり、入間市と隣接し、米軍入間基地の城下町であると知る。入間市にはジョンソンタウン健在。