柳の下で平然としている魚雷くん。

冬晴れの一日。坂の上からきれいに富士山が。昨晩、太田和彦さん『飲むぞ今夜も、旅の空』(小学館文庫)の解説400字10枚を書き上げ、一晩寝かす。今朝、早起きして、高ぶりを消し、あちこち手を入れて締め切り日にゴール。送付する。いやあ、疲れました。

一仕事終えた開放感を連れて、高円寺。西部古書会館「均一祭」へ。初日200円、翌日100円、そして月曜の今日が50円になる。ぼくはたいてい最終日に落穂ひろいをする。最終日こそ、開館と同時にどっと古本虫たちが押し寄せ、棚はかなり空いていた。それでもぼちぼちと拾う楽しさよ。550円だったから、11冊買ったことになる。東海林さだおの「丸かじり」シリーズ、コロッケそばの巻が欲しかったが、東海林さだお自体がなかった。柳田国男全集がどっと放出されていて、「32」があればと目を凝らすが、「32」のみない。キキメならん。

会場で魚雷くんとばったり。聞くと3日とも来たという。お茶しながら、あれこれ話す。フリーライターとして行く末を案じる話など。ぼくはもう、ちょっと疲れてしまったなあと。しかし、どうも魚雷くんは「そんなこと考えても仕方ない」と思っているらしく、平然とニコニコしている。ううむ、大人(たいじん)の風格だ。川のそば、柳の下に小屋を建て、漢詩を作っている中国の文人みたい。魚雷くんと話していると、自分が小物に見えてくる。まあ、小物なのだが。