それで救われる気持ち

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細野さんの作曲能力の高さは言うまでもないが、じつは詩もいいんですね。糸井重里NHKの番組で谷川俊太郎さんが出たとき、糸井が(なぜ糸井だけ呼び捨てと突っ込まないで下さい)「さいきんの若い人(音楽方面)で、いい詩だと思う人はいますか?」というような質問をしたとき、「細野ナニ?(晴臣がちゃんと読めないというか、記憶から漏れ)」の名前を挙げた。「ああ、細野晴臣さんですね」と糸井が答えた。正確ではありませんよ。谷川さんが細野さんの詩を評価したってことが大切なんです。これは事実です。「終わりの季節」は徹頭徹尾すばらしい。

昨日は午後、盛林堂へ補充。均一で3冊。小野くんと喋る。近所に広い倉庫(もと学習塾)が出来て、じつは前にも見せてもらったのだが、「初めてならおみせしましょうか」と申し出てくれて、しらばっくれてまた見せてもらう。「日本の古本屋」用の列の棚は日付順にちゃんと管理されていて、ほか、文庫は文庫、新刊(盛林堂刊)の棚ときっちりしているなあ。ぼくの絵画展の図録がたくさん余って積まれている。もうしわけない。

次に音羽館。広瀬君と「物豆奇」で情報交換。さる有名人の家に買取りに行き、それ自体はよかったのだが、高級住宅地で、家を出たら駐禁を貼られていたという。警官が巡回する感じでもなく、近所の人が通報したのではないか説。ありそう。この20年で、買取りで仕方なく家の前に停めて、すでに10回ほど切符を切られたそうだ。儲けがゼロになることもしばしば。だからゴールド免許を持ったことがない。古本屋あるある、でしょうか。もと「ささま書店」店長のIくんが、下井草(井草ワニ園!)で居酒屋を始めるとのこと。古本は置かないそうです。

音羽館草野心平を一冊。漫画の棚から吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』1と2を買う。各300円。電車のなかで読みだしたらやめられない。おもしろいおもしろい。小遣いが月額定額で決められている夫たちの涙ぐましい倹約話。この著者、手塚治虫や「アクション」の制作秘話をマンガ化する実録マンガともいうべきジャンルを確立した人で、どれもおもしろい。余計なことはせず「実録」に徹してください。トキワ荘も資料が出そろっているので、ぜひ新『まんが道』に挑戦してほしい。