牧野邸の夜、秋田弁で。

朝夕、一挙に冷え込む。日中はいまだTシャツとサンダルだが、秋は深まる気配なり。

昨夜、ひさしぶりの牧野邸宴会。「四月と十月」同人のS夫妻が、秋田から車で上京。12時間かかったという。ほか、常連のYさん、その金継ぎ生徒、こちらもYさんも加わりおでん鍋、ほかもろもろ食彩あり。けっこう日本酒を飲んだなあ。

秋田のS夫妻、40代前半かと思われるが、夫は農業試験場に勤めながらイラスト、デザインの仕事をしているという。ままごとのような夫妻で、秋田弁丸出しの会話が非常に好ましい。東京にはちょっといないような、人擦れしてないピュアな感じが大変新鮮。日常会話でも楽しい。いろんな話が出て、ちょっと覚えきれていないが、たとえば秋田の「玉川温泉」が名湯で、知り合いの重病の患者が2人、ここの温泉湯治で完治したという。その話に信ぴょう性あり。地図をみると、秋田県東部、内陸にあり。鉄道は通っていない。ぼくも一週間でいいから、こういう温泉で湯治がしたい。

もう少し南、田沢湖周辺の「乳頭温泉郷」は有名で、まだ娘が幼かったころ、家族で旅行している。蟹場、鶴の湯、黒湯のどれかだ。ここは混浴で、怪しい空気の不倫カップルみたいなのが、堂々と入っていた。

牧野さん、長らく年末恒例だった表参道「HBギャラリー」での個展、今年からなくなったとのこと。牧野家の年末行事だったので少し淋しいようだ。そのかわり、ほとんど休みなく、あちこちで個展を開いて盛業である。少しあやかりたいものだ。

今日は仕事をします。筑摩からも、来春刊行の『古本大全』のプレ初校ゲラがどさりと届く。カバーデザインは古本屋ツアー・イン・ジャパン小山力也さん。