読書マシーンと化す

トマス・H・クック、この一週間か10日ほどですでに6冊を読み終え、7冊目へ。殺人や失踪が絡む救いのない世界で、現在と過去が交差して物語が進むのが共通する特徴。ひと言で「暗い」のだが、引き込まれるのだ。

思い立って、図書館で村上春樹騎士団長殺し』を今ごろ読み始め一気に読了。理屈っぽいところなど、ところどころガサゴソッと読み飛ばしながらだが、こちらも物語世界に引き込まれた。やはり、現代作家にあって抜群の技量である。

ちくま文庫『古本大全』の編集者Kさんによる要望で新稿、「あとがき」も書いておくる。これで、原稿としてはフィニッシュ。今日、「本の雑誌」社で、魚雷君と中公文庫対談。古本まつり2日目も少し覗く。どこからどうしてこれだけの、ふだん神保町と縁のない人々が集まってくるのか。歩行もままならぬ。行列のできた「さぼおる」路地で、思いがけない人とばったり。久しぶり。つい「生きてました」と声かける。

とりわけ盛林堂ブースの人だかりが目立つ。2冊買う。店番の古ツアさんに声をかける。依頼した『古本大全』カバーデザインについて、あるアイデアを申しだされる。もちろんOKだ。

対談終え、魚雷君と「ぶらじる」で喫煙と思ったら、階段のところまで人があふれ順番を待っている。なすすべもない。帰り、西荻下車。「音羽館」に用事があって寄り、広瀬君と立ち話。引き取ってもらった新刊の売り上げをもらう。その金で、近田春夫自伝『調子悪くて当たり前』リトルモアを1200円(業者割引で1100円に)を買い、電車のなかで読みはじめ、もう読み終わってしまった。読書マシーンと化す、今日この頃なり。