うなぎの革製品の店って?

これからもっと寒くなるのか。じつはまだ、凍えるような寒さはこの冬、経験していない。夏の暑さは耐えがたく、これなら冬の方がいいと思える。

木曜、午後、前田くんと散歩堂さんが来宅。収拾のつかなくなった地下書庫の整理を手伝ってもらう。というより、途中でぼくは疲れて、二人にまかせたのだが。片っぽの靴下や、割れたCDケース、破れた紙ものなど信じられない床の状態が改善され、本に埋もれたオイルヒーターも使用可能となる。

三人で国立へ出て、「王将」(三人とも大阪人で「王将」ボーイだ)で打ち上げ。国立へ向かうバスの車窓、散歩堂さんが「うなぎの革」の革製品の店を見つける。100回以上、そこを通っているぼくは気づかなかった。じゅん散歩なら、高田純次が「おや、こんなところにうなぎの革って、どういうこと。ちょっと行ってみましょう」と入りそう。

締め切りいくつか週末に集まってきて、「望星」連載は冬の動物園について、「高校教育」コラムは矢島正雄弘兼憲史人間交差点』から。

今日は「ふくらむ読書」(春陽堂書店ウェブ)を。無着成恭編『山びこ学校』について。一回では書き切れず。次回に持ち越す。

深夜、録画したカウリスマキ『マッチ工場の少女』をひさしぶりに見る。まじめなのか、ふざけているのか、独特のタッチだ。男に裏切られた不幸中の不幸少女(ともいえない年齢)が、毒薬(強力鼠殺し)を薬局で買う。

少女「効き目は」

店員「イチコロ」

少女「すてき」

と切り詰めたセリフが抜群の効果を生む。サイレントでも成立しそうだが、そのつどかかる音楽が、せりふの少なさを補足して批評する。