散歩堂さんと三鷹で。

静かな年の瀬である。寒さ、厳しくなる。

「望星」連載4は、過去、500円以下のしみったれた話が続いたので、ドカンと価格をアップし、2002年に家を買った話にする。その年の手帖が出てきて、これが半年で廃刊となった雑誌「ヘミングウェイ」特製のもの。あれこれ懐かしい日々を思い返す。この年、おそらくライター業のピークで、それでローンの審査を通過できたのだ。手帖をつけていてよかった。

「おしゃべり007」(で、タイトルはいいのか)、阪神の選手登場ということで見たが、えらく面白い。岡田監督に「アホの子」と言われた森下が「アホ」ぶり全開で好ましい。あれだけ豪華な突っ込み陣に囲まれ、阪神の6名は幸せだった。

今年、残す締め切りは「ふくらむ読書」だけかと思ってたら、急きょ、一つ増える。もちろんありがたい話である。

日曜夜は一人でメシを食べることになり、淋しくなり散歩堂さんを誘い出す。三鷹で「水中書店」集合のち、駅前の大衆居酒屋で飲む。しかし、年末で、ホルモンを大量放出する若い衆の団体の隣り席で、「これではしみじみ、小津の話など、できひんがな」と、穴場の二階イタリアン&カフェへ。ここはセルフながら、空き席目立つ穴場なり。

散歩堂さんと共通の話題(多い)、静かに大阪弁で喋る。「散歩堂さん、『山びこ学校』ってわかるか?」「わてを、誰やと思うてまんねん」と。「水中」は三ツ星の店。中公文庫、小沼丹推理短篇集『古い画の家』を600円で。「水中」、入って右、道に面した大きな美術本棚を取り払い、大きなガラス窓から外が見える。そのことを聞くと、「外から、すぐ本屋だとわかって、入りやすいようにしました」と店主。「いっつも、店のことばっかり考えてんねんなあ、偉いなあ」と褒めておく。

バスか電車に乗ってどこかへ行きたくなってきた。「青春18」を買うには、もう期日的には遅いか。