オカタケの「ふくらむ読書」【20】山びこ学校|春陽堂書店|明治11年創業の出版社[江戸川乱歩・坂口安吾・種田 山頭火など]
先日の大雪、あんがい溶けるのが早く、路肩にはまだ汚れたのが固まっているが、道路の大部分は自転車で走れる。午後、国分寺「七七舎」へ。開店以来、ずいぶん通ったものだが、3月いっぱいで、次代の店主に明け渡す。
午前中に、録画しておいた沢田研二主演、水上勉原作の映画『土を喰う十二カ月』を見る。自給自足の料理シーンが多く、ほとんど沢田が一人でこなす。しかし精進料理だけを食べていて、あんなに太るかとも思う。信州の山々、田園、林などの風景が美しく清々しい。
七七舎均一で、河出文庫の水上勉口述による自伝『泥の花』を買い、これはすぐ読めるしすぐ読む。映画は水上の生活をそのまま反映し、本書はその理解を助ける。映画にもあったが、水上は心筋梗塞で倒れ、一度死にかかる。万に一つの生還だった。漱石の修善寺大患に比す体験で、死生観が変わる。
夜は父「お好み焼」を作る。豚バラ肉が牛肉並みに高くなって、いかなるわけだろう。そんな話を、昨夜、牧野邸で話したばかり。