青春18で土浦へ。

コロナ禍に長梅雨で、幽閉状態が続く。いくらなんでもこれは長すぎるよ。今日、午前に晴れ間が見えて、トーストを口にくわえて走り出す(嘘ですよ)、もとい急いで外出。駅で「青春18」を買って、第1回を使い土浦へ。5年ぶりぐらいか、もっとか、駅からすぐの「つちうら古書倶楽部」を覗きに行く。これでなんとか次回の「古通」は埋められそう。けっこう買いました。ここは買えます。楽しいです。2時間強で行けるし、青春18の一回分を使うのにちょうどいい感じ。くわしくは「古通」に。ほんと、頼みますよ、みなさん。

「つちうら」で買った関川夏央コラム集『やむを得ず早起き』(小学館)を、帰りの車中、2時間を使って読了。すでに読んだことがあるネタがいくつか使われているが、悪い気はしない。ジェット・ストリームとかサガンとか、ね。週刊ポスト連載だが、これだけ広範な話題を、毎週きちっと面白く仕上げるんだから、そりゃあ、大したもんだ。

夜、雨。まったくよく降るなあ。天の底が抜けてしまったか。ダイナ・スタベナウというアラスカ在住のミステリ女性作家の『秘めやかな海霧』ハヤカワミステリ文庫を読了。アリューシャン列島からベーリング海へのカニ漁船(世界一危険な仕事)に乗り込む、女性元捜査官の話。異色ミステリである。シリーズで6作で出ている。ううむ、と教えられること多数。これは春陽堂「オカタケな日々」にもう少し詳しく勉強の結果を書きたい。自分がいかに何にも知らないかを痛感。知ることはつねに楽しい。

夏の古本甲子園「下鴨古本市」が中止となった。この時期、かきいれどきの善行堂にとっては苦境。何か応援したいが、何ができるか。ユーミン・バー「キャラメルママ」のオーナーである弟もまた苦境にある。京都へ行きたい。青春18を使って行くか。

 

チャーハンは中華鍋を火から離さない。

今週いっぱいぐらいで、梅雨は明けそうか。わだかまる日々。

昼は外食と思ったら、しとしと細い雨が降っている。仕方なく、一人で昼食にチャーハンを作る。ソーセージを細切れ、ネギを切り、カニかまぼこをほぐし具材を揃えておく。冷凍ごはんを解凍、熱した中華鍋に溶き卵を投入、すぐにごはんを。ここで卵をごはんにからませて塩コショウ。具材を一挙に入れる。ここから鍋をあまり動かさない。中華店のように火力が強くないから、なるべく火から鍋を離さない。むしろ鍋面に押し付けるようにして、何度かひっくり返す。中華味の顆粒、最後に少し醤油を足してできあがり。「美味しんぼ」だったかで、チャーハンは、激しく鍋を空中にはね上げて、はみ出したごはんが下からの火力にあおられて……みたいなことをやっていたが、家庭ではこれは禁物なのである。火から鍋を離さない。これがコツである。カニかまぼこがいい仕事をするのである。チャーハンは家で作ってもそこそこうまい料理の一つ。

あいかわらず植草甚一。そして新潮文庫「日本文学100年の名作」の第七巻、『公然の秘密』を読む。秀逸なアンソロジーのシリーズで、未読の名作と出会える。安部公房「公然の秘密」、三浦哲郎「おおるり」など、ドキッとするほどいい。前にも書いたかもしれないが、筒井康隆「五郎八航空」は「船徳」、富岡多惠子「動物の葬禮」は「らくだ」と、それぞれ落語を下敷きにしている。分かる人は分かるはずである。

恵贈してもらった『山田稔自選集Ⅲ』(編集工房ノア)を読み始める。

お久しぶりです、塩山御大。

昨日は貴重な梅雨の雨なし日。いつも水曜に出かける「サンデー」の本えらび、コロナ禍で、担当のSさんも出社が変則的でこの日(21日火曜)に。ちょうどよかった。西荻下車し「盛林堂」岡崎棚に補充しているとwくんがいて言葉を交わす。同郷の映画人である。いつもこちらを気遣った喋り方で近況を聞いてくれ、おまけに補充した中から一冊買ってくれた。

均一を見て、いくつか欲しいのがあったが、また盛林堂に蔵書整理に来てもうらため自重。濱谷浩が詩の舞台になった場所をモノクロで撮る大判(LPレコードジャケットぐらい)のが100円で、ぶんなぐられたぐらい安いけど、これから本選びへ行くからなあ。とあきらめたら、あとで来た古ツアくんが買ったようだ(ブログ)。さすがである。小野くんと喋っていると「もうすぐ、塩山さんが精算で来ますよ」というので、しばらく店で待っているとマスク姿の塩山御大登場。どうもどうもとあいさつし、精算が済むのを待って、「ド」へ同道し、30分ほど喋る。といっても8割以上、塩山御大の話しを聞くことになる。ニコニコ笑いながら毒を吐くのを見るのは本当に久しぶり。3年は会ってないだろう。「神保町にいらっしゃらないから、淋しいですよ」と言ってくれる。「サンデー」の編集部が竹橋から九段へ移って、しかも毎週通っていたのが、週2になって、神保町から遠ざかっていると説明。

ささま書店」跡でプレオープンした、「古書ワルツ荻窪店」へも行こうと思ったが、wくんの話では、完全にオープンというより、まだ態勢が整っていないためのお試し期間で土日しか開けないようだと情報を得る。たしかに、中央線の窓から目視したが、シャッターが閉まっていた。電車のなかで植草甚一『こんなコラムばかり新聞や雑誌に書いていた』(晶分社)を再読。「太陽」の特集号を、ひさしぶりにパラパラ読んでいたら、植草熱が再発した。しかし1970年代中期以降(オイルショック以後)の晶文社本の活字の詰め込み方はすごい。一頁、タテ52字×ヨコ21行もある。たとえば今年出た亀和田武さんの『夢でもいいから』(光文社)は、同じ四六判だが、一頁44×19だ。前者の文字数より3割がた少ないか。

ニンジンをぶら下げて

涼しき雨の日。夜、父カレーを作る。じゃがいものでんぷんが出すぎて、ベタッとした出来栄えに。このカレーみたいに、昨日今日と、ベタッと重い心を抱えて生きる。まったく、60過ぎて悩むようなことかね、と思いつつ、弱い心を恨む。しかし、弱い心だから分かる、見えることもあるのだと慰める。八木重吉を読む。

「ひにくなこころと/いかれるこころと/ふたつとかして/ただうつくしく/しづかにながれたい」(無題)

これを甘いというだろうか。タバコが喫いたくなる。東京都の外へ行かないと、いま、タバコを吸う場所がない。こないだ、埼玉県某市の居酒屋で友人と飲んだ時、普通に、カウンターに灰皿が置いてあって、なにか新鮮なものを見るような目で見た。部屋のどこかに、2箱ぐらい、吸いかけのタバコの箱があるはずだ。もう2か月ほど、一本も吸ってないが。東武東上、八高、秩父鉄道が交叉する「寄居」へ行きたいと思う。よさげな古い町らしい。

落語の舞台を歩くシリーズ。杉並「妙法寺」(「堀之内」の舞台)へ、と思うが、近くて遠いんだよな。いろいろな関心を目の前にニンジンのようにぶら下げて、馬のごとく前へ進むなり。いやあ、なかなか大変であります。

フェイスブック退会する。

このブログと平行して、たまに「フェイスブック」に画像などアップしていたのだが、ここへ来て、知人登録の二人から続けて、アカウント乗っ取りがあり、念のためパスワードを変えてくれ、と要請があった。一度目は放置していたが、今回は気味が悪くなり、いろいろ苦労して別アカウントを取得。しかし、旧もそのまま生きていたようで、ハッカーを称する者からメール。この世界に関しては赤ん坊同然で、ゾッとする。習熟して使い慣れている者にはこっけいだろう。このメールは開かないようにしたが、どうにも気味が悪く気持ちが去らず、ゆーうつとなりフェイスブック自体を退会することにした。これからも同様のことが起こるだろうから。

しかし、設定にアクセスするも、まったく複雑で退会まで行きつけない。毎度のことながら、パソコンの管理会社に電話して、リモートアクセス(それでも苦労した)で退会に至る。ここ半日ほど、不愉快だったので、ほっとした。フェイスブックでは、小学校時代の友達とつながるなど、意外な広がりがあって、便利に使わせてもらったが、イヤな思いをしてまでやることはない。新しくつながった人は、このブログの存在など知らないだろうから、つながりが切れるのは残念だが、仕方ない。

朝から「本の雑誌」「すこーれ」の原稿を上げて、送付。そう書くと忙しいようだが、締め切りぎりぎりまで怠けていただけだ。これから「サンデー」にかかる。しかし、フェイスブック退会騒動で、頭の中がマーボドーフみたいになっている。夕方までちょっと休もう。

小海線「八千穂」駅周辺を旅したい。いいぞお。

再開している西部古書会館即売会、均一祭が土日月とあり、200、100、50円と日ごとに減額される。今日、月曜は最終日で50円。半年ぶりぐらいか、行ってみる。13冊買って、650円と、クラクラする安さ。評論家の古本好きAさんがいて、30冊は買っていたな(声をかけないのが礼儀)。ここで何を買ったかなど、さいきん古本ネタの少ない春陽堂書店ウェブ連載「オカタケな日々」でくわしく報告するつもり。映画や本の話題が多いから。

妻がいない夜、ナスと牛肉炒め(オイスターソースほか、片栗粉とろみ)を作り、娘と食べる。市販のインスタントワンタンスープと。

もう番組としては終了し、再放送で続く「ローカル路線聞き込み旅」(タイトルは正確でなし)を途中から少し見る。2014年放送。もちろんテレ東(BS)。俳優の神保悟志(顔のみ知る)とタレント鈴木あきえのコンビで小海線小海線はいいなあ。見たのは「小海」駅と、「八千穂」駅のパート。どちらも降りたことがない。「八千穂」駅とその周辺(旧街道)のロケーションにしびれる。あれこれ検索し、青春18日帰りではきついが、大人の休日倶楽部が再開したら、新幹線を使い、最寄駅から3時間ぐらいで行ける。これは行きたい。奥村土牛美術館、「喜劇駅前食堂」という名の雑貨店あり。駅前に洒落たカフェレストラン「たかとんぼ」。知らないことばかり。千曲川沿いを歩いて、二時間ほど時間をつぶして帰って来よう。

ちょっと古本屋はからめられそうにないなあ。