年末には吉田健一がよく似合う。

しかしいい天気が続くなあ。4時過ぎると、陽が沈みだす。6日は所沢「彩の国古本まつり」へ。このところ、そういえば最近見ないぞと気になっていた集英社吉田健一著作集」を、300円パーでジョンソンタウンの新顔「逍遥館」が8冊出していて、どれを所持しているやらわからなかったが、ちょうどカバンに入れて持ち歩いていた『残光』が収録された13巻を買う。ほかマイクル・ℤ・リューインの未所持ポケミスなど2冊。明日8日まで開催中。帰宅して10冊は持っている著作集を点検すると、13は未所持だった。よかった。全30巻あるうちの後の方に出た巻の方が珍しく古書価も高いようだ。300円なら買い、ですよ。

それでもとの中央公論社から昭和38年に出た、吉田健一第二短編集『残光』だが、函入りのかっちりした造本で簡素なデザイン。大好きな装丁(装丁者のクレジットなし)。当時の定価が450円で、これはお安くないですよ。当時、公務員初任給が1万7100円、コーヒー60円、週刊誌40円。比較は難しいが、現在、だいたい8~10倍と考えると、450円は3600~4500円見当で、ううんとうなってしまう。

今年一年は、吉田健一をよく読み、よく考えた年になった。『残光』もいいですよ。年末には吉田健一がよく似合う。