ちくま文庫と中川一政

「dry」破れて2日続きの飲酒。口ほどにもない。4日は午前から西荻、「こけし屋」でちくま文庫の担当Kくんと打ち合わせ。6月刊行を予定に、野呂邦暢の『愛についてのデッサン』+ぼくが5編ほど短編を選んだ作品集を作ることになる。これが売れたらもう一冊、と心がはずむ。作品選定のポイントとカバーデザインのことなど。張り切って話す。マスクをせず喋っていたら(ぼくは大阪人なので声が大きい)、店の人に注意され、ふたたびマスク。しおしおのパーだが仕方ない。

盛林堂に補充と精算。3月、また蔵書整理プロジェクトで来てもらうことに。あそことあそこをそっくり処分すれば、ほぼ本棚からはみ出した本が棚に収まりそう。こんな日が来るとは思わなかった。いい日旅立ちだ。音羽館にも顔を出す。盛林堂とそれぞれ買う。売って、また買う。「お菓子は別腹」という言葉が頭をよぎる。

西荻駅前から久しぶりにバス。大泉学園南口へ。30分かからない。くねくねと、よくこんなコースを走るものだがな、と感心。以前なら「ポラン」へ、というところだが惜しくも閉店。西武線で所沢、「彩の国古本まつり」の初日午後を回遊。すぐ疲れるので、5段階の1パワーでざくざくと見る。考えたら中公も講談社文芸も、中川一政をすべて処分したことに気づき、この日、それだけは集中してチェック。講談社文芸の『我思古人』を回収(というのも変だが)。ちくま文庫からも『中川一政文選』というアンソロジーが出ている。これも持っていたはず。会場で「古本三人組」(ぼくと一路さんとKさん)のKさんを見つけ、言葉を交わす。Kさん、名うての古本者でネット販売もしていたが中止。蔵書も3分の2を処分したという。「売ると買いたくなるでしょう、また買えるってことで」と同病あいあわれむ。