ドタバタと関西行脚

2泊3日で関西へ。「赤旗」文学館へ行こう!の取材で茨木市川端康成記念館」を訪問。京都へ。京都へ移転した母を見舞う。そして善行堂。このところの買取りに、ずいぶん拙著が紛れ込んでいることはツィッターで知っていた。なんだか自分の蔵書を見ているような本のチョイスだ。善行堂がぼくの本を集めて、20冊はあったか、サインを求められ喜んでイラストとともに入れる。読者がいることを確認できてうれしい。

2日とも宿泊は善行邸。夫人のRさんも昔から知っていて、善行堂への貢ぎ物であるいいお酒(バランタイン17、焼酎ダバダ)を飲みながら3人で遅くまで喋る。古本屋商売のむずかしさ、いまどういう本が動くか、これからは小さなロットの出版に商機ありなどなど。善行堂は喋りながらもネット注文に対応し、発送準備をしながらだから、店を閉めてからも仕事は続くと分る。お先に眠ったが、さすがにぐったり。

2日目は雨だったが奈良へ。40年ぶりの「志賀直哉記念館」に感動し、雨の奈良公園を抜け、奈良ホテルを見物し、古本屋を数軒まわる。昨日も今日も某所へ忘れ物。あわてて引き返し、歩数を増やす。頭の中に、いっぱいのことが渦巻くと、何か抜けるようだ。これはボケではなく、若い頃からそうなんだ。奈良の「柘榴ノ國」は相性ぴったりのいい古本屋で、ここでまとめて買うことに。これで「古通」一回分は埋まる。

3日目は新大阪発新幹線の時間まで、大阪をうろつく。阪神百貨店の古本市を覗き(数冊買う)上町台地の坂を上り下りし、織田作之助散歩を楽しむ。じつは初めてのエリアである。「生玉」さん、「高津」さんと織田作、上方落語崇徳院ほか)ゆかりの地を訪ね、けっきょく3日間、ずいぶんよく歩いた。つい、禁断のアイスを食べてしまう。「厚生書店」へは行けず。もう力が残っていなかった。あ、「ますく堂」もごめんなさい。これも「古通」一回分と、ばらして「オカタケな日々」にも書けそう。つねに「書く」ことに頭が行くのは商売柄とはいえ、煩悩である。

帰ってパソコンを開き、所用に対応していると、デスクのライトがポンと消えた。コードはつながっているのでツイン電球の寿命だ。見ると、購入日が書かれていて「2012年3月11日」とある。丸々10年使ったんだ。なんという寿命の長さよ。