海野弘、武蔵野を歩く。健脚にびっくり。

寒い朝を迎える。なんだ、4月に入ってこの寒さは。

「オカタケな日々」51と52、写真とともに送付。「赤旗 試写室」は内藤剛志主演の「捜査一課長」シリーズの最新作について。ぼくはもうこのシリーズについて書くのは、3回目ぐらい。自分で選ぶのじゃないから。

海野弘『武蔵野マイウェイ』冬青社を、短評紹介のときざっと読んでいたが、今度はていねいに読む。2001年から17年まで同人誌「断絶」に連載されたもの。驚くのは海野さんの健脚ぶり。1939年生まれだから60代始めから70代後半、ということになるが、たとえば西武国分寺線「鷹の台」から「三鷹」まで歩き通している。最短でも11キロはある。石神井公園からくねくねと吉祥寺まで、というのは普通はバスで移動するコース。驚いたなあ。しかし、これを読むと無性に歩きたくなる。

古本屋の記述も多く、貴重な記録になっている。連載開始から20年だから、今はない店も多い。国立では、洋書の「西書店」(今はない)に必ず立ち寄り、店主とも言葉を交わす。「みちくさ」も好きな店だった。「谷川書店」の記述も笑ってしまう。「ブックセンターいとう」へもよく行ったようで、本の量の多さと質をほめている。ぼくも、この店の雰囲気(店主の眼を気にせず、ゆったり、じっくり。しかも定価より高い本というのがほとんどなかった)が好きで、なくなったことを惜しんでいる。番頭格の同年代の女性店員に声をかけられて、以後、いくたびに挨拶し会話を交わした。

武蔵小金井のなくなった店で店名は書いていないが、連雀通り沿い、市役所近くの「古い建物の洞窟のような雰囲気」とは、おそらくぼくも店名を忘れたが、古いビル(ふるさとキャラバンの事務所が入っていた)のことではないか。買ったとき、値段のシールをへらのようなもので剥がしてくれて「こうすると、きれいにはがれますよ」と言った記憶があるが定かではない。『全国古本屋地図』に記載のない店だった。

「中野の寺町」では新井薬師に続く「あいロード」で「荻窪古書店」に勤めていた若者に声をかけられた。今度、店を出したというから「案内処」だ。川村くん、このこと知っているだろうか。