文庫にラインを引く男

16日(水)「サンデー」締め切りと本えらびと日が重なり、朝早起きして原稿を送付、午後外出。雨の対策を万全にしていったが(折り畳み傘持参と、自転車の前かごに雨がっぱというだけだが)、雨に濡れることは回避できた。なにより。九段下「九段会館」工事すすみ、旧館の全面外壁を残し、裏側に巨大ビルが建設中。鯛焼きの皮だけ残った感じだが、それでもいい。好きな建築だった。

サンデーで本えらび。小林亜星の記事担当の記者に資料をもらい、立ち話で打ち合わせ。竹橋に編集部がある時代、毎週通っていた際はかならず神保町でひっかかってうろうろしていたが、それもなくなって、神保町へは年に数回、という感じに。「神保町ライター」という肩書も返上だ。

書評の本、3週分+余裕を選んで、帰り、西荻下車。盛林堂に少し補充し、5月分の売り上げ清算金を小野くんから受け取り、音羽館へ。緊急事態宣言発令後、しばらく休店していて足が遠のいていたが、6月1日から開けていたという。ひさしぶり。広瀬くんと「物豆奇」でお茶しながら情報交換。もっぱら東京古書組合百年史の話。各店でそれぞれ数冊を買う。伊図透に『犬釘を撃て!』という新作があることを音羽館で知り購入。画力もストーリィの卓抜も、ここまで凄くてだいじょうぶ?という漫画家である。電車のなかでは梅崎春生桜島・日の果て』再読。あちこちラインが引いてある。いや、むしろここにラインを引くべきだろうと過去の自分を叱咤し、ラインを引く。スマホ全盛の車内で、文庫本に線を引く男。そのうち変質者として通報されるかもしれない。

今日は小林亜星記事、明日は「赤旗 試写室」締め切り。ちゃんと守りますって。ユーチューブでU字工事の漫才見始めたら止まらなくなった。「カミナリ」も混ぜよう。