日曜は働かない

(ぼくの感覚では月曜が)週明け、春陽堂ウェブ連載「オカタケな日々」59と60の原稿、写真を送付、イラストを投函。「サン毎」と「本の雑誌」ゲラを返す。日曜は働かない。というより、平日も働いていないのだが、世の中が始動する月曜に合わせて、こちらもエンジンをかける、という感じだ。6月も終わりか。

25日、ふたたび高円寺「愛好会」へ。また魚雷くんと遭遇。互いに「また来たのね」という顔。殺気だつ初日より、ゆっくり見られて、取りこぼしや発見もある。蹂躙されつくして荒野となった「赤いドリル」棚から古い観光絵葉書4セット500円を。魚雷くんを誘い、高円寺駅構内カフェで雑談。ひさしぶり。ずっとひっかかって、しこりとなり酒量も増え苦しんできた、ライター稼業の悩みを魚雷くんに打ち明ける。すると、同種のことに魚雷くんは、向こうの申し出に納得いかなければ無視するし、「のらりくらり」と対応すると言った。つまらぬことでいつまでも思い悩んでいるぼくは小物で、魚雷くんの方がずっと大人だ(ライター歴は魚雷くんの方が先輩)。これで気が少し晴れた。牧師に告解する信者の気分だ。

田辺保『シモーヌ・ヴェイユ講談社現代新書を再読中。あちこち線が引いてある。これは名著。ヴェイユは純粋すぎる思想哲学の徒で、余裕がなかった。わき道をゆき、野の花をめでるようなことがなかった女性で若くして死んだ。「セーターを裏返しに着、たばこのやにで指を黄色くし、四ポンドもあるパンを小脇にかかえて自転車で帰る」姿が目撃されている。人々(無産者階級)の幸福を願い、自分を2の次にした。真理の追究を人生の第一目標とした彼女が、もし近くにいたら、ちょっとつき合いきれない気がする。冗談を言っても、黙って顔をじっと見返すだけで笑ってくれなさそう。落語を聞いてほしかった。