カナカナとひぐらしの鳴く頃に

午後、ようやく曇り空に変わり、蝉の音す。これが「カナカナ」とひぐらしのなくようになれば、夏の終わりとなり、切ない気持ちになる。たぶん、夏休みが終わり、ああ学校かあ、という気持ちが体の中に残っているのだろう。

昨日「古通」長岡「雑本堂」さんの原稿、「スコーレ」の連載(あと残り一回で終了)を書いて送る。今日は午前中に「四月と十月」の「彫刻」、新潟駅の「忠犬タマ公」について書く。月半ばはこうして締め切りが集中する。売れっ子の書き手と比べれば、小雨のようだが。

念のため、ユーチューブで検索したら2004年のNHK「獏さんを知っていますか?」90分全編が視聴可能と知る。あわてて視聴し、細かにメモを取る。よかった、見られて。「本の雑誌」連載は、この山之口獏編で終了(あと5回)。担当さんTさんと、今後のこと、電話で打ち合わせ。耕治人編を書下ろし追加して、書籍化される予定。連載は、毎月初めて読む人を意識して書いていたので、大幅に手を入れる必要が出てきそう。まあ、来年の話だが。65歳になっている。獏さんは59が享年。小津安二郎と生年と没年が同じ、と知る。そのことに感動する。いい組み合わせだ。涼しくなったら墓(千葉の八柱霊園)も詣でたい。獏さんのことが好きだった詩人、辻征夫もまた同じ霊場に眠ると知る。これもいい組み合わせ。土門拳田久保英夫もここだ。よおし、行くぞ。しかし、遠いな。