『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』がついに出来上がった。

11日は多忙。午前中、歯科医院で、作った前歯の義歯の装着の際、前に作った三連の義歯が取れてしまい、新しく作り直したのを装着。もう、自分の歯は半分ぐらいしか残っていない。支払いの際、2万いくらかを告げられ呆然となる。カードで支払い。このままでは、歯はよくなっても、食べるものを買えなくなる。由々しき事態である。

薬局で「ポリグリップ」を買う。「ポリグリップ」を買うようになってはなあ。だんだん情けないことに。午後、東銀座「春陽堂」へ赴き、できあがった『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』を見る。グリーンが地のカバーは目立つのではないか。書き文字っぽいタイトルが大きく入る。発行日は11月20日になっている。さっそく80冊ほど、サイン、イラスト、落款を入れるマシーンと化す。終えてすぐ、話しかける担当者をしり目にして九段下。「サン毎」本えらび。宮里くん、北条くんが席へやってきて、少し会話する。みすず書房『台湾の味』がバカ売れ(東京堂)しているという。「瀬戸内寂聴さんが遺言で言ったのじゃないの」と軽口をたたく、ばかな私。

本ができあがり、一人、夜に酒宴。沈没。残り金、土、日、月と締め切りが重なり、「世田谷文学館」へも行ってこないと。泣きたくなる。ネコが先ほどからみゃあみゃあうるさい。カリカリの餌はやったが、要するに「チャウチュール」を寄越せと脅しているのだ。