七七舎店頭で「あ!」と声が出た。

晴天、日差し強いが、風は涼しい。午後、自転車で国分寺・七七舎へ補充。売り上げも少しもらう。均一で4冊買う。うち、平凡社から出ていた(今からだと考えられない)文芸誌「季刊文体」3冊があり、面白いのはないかと目次を見てたら、草野心平庄野潤三の対談が掲載された号あり。「あ!」と思わず店頭で声が出る。いい組み合わせの対談だ。草野も庄野も対談集は出ていないはずで、貴重。「あ!」と、けっこう大きな声を出して、まわりに人がいなくてよかった。

「ジョルジュ・サンク」でタバコを吸いながら、「文体」を読む。『憧れの住む東京へ』浅川マキの章、藤圭子と並べた原稿を書き下ろす。娘の宇多田ヒカルが天才とか、ずいぶん騒がれたが、われわれの世代には、藤圭子の衝撃と存在感はまるで比較にならないほど大きかった。前川清と結婚し、「スター千一夜」かなにかで二人で出て、藤圭子がケラケラ笑うのに驚く。明るい娘だったのだ。ある文章に、二人の間に性生活(初夜は別にして)がなかった、なんて書いてあったが本当かしら。

藤圭子が飛び降り自殺したのは西新宿6丁目の高層マンション「アトラスタワー西新宿」。一度、その前に立ってみたい。立ち食いそばの名店「大橋や」からも近い。