八王子、昭和喫茶「サントス」はやっぱりいいなあ。

連休中の貴重な晴れ間8日をねらい、7日から開催中の放射路「八王子古本まつり」へ。初日は雨で中止になった由。南大沢では台風と、天候にふりまわされ気の毒。とんかつ「ほしの」は休業日でがっかり。あれ、そうだったか。隣りの「てんや」でオールスター天丼を。佐藤書店を見ていたら、ズボンの糸がほつれてぶらさがっているのをおばさんに指摘される。「魚が釣れるかと思って」と言うと、「まあ、おもしろい」と笑われる。笑われることが快感な関西人だ。

駅前に戻り、金澤『フォークソングの東京』信幸さん、川口「直木賞研究家」則弘さんと待ち合わせ出陣。お二人はこの古本まつり、初めてだという。金澤さんにいたっては、八王子自体が40ねんぶりぐらいだという。長い長いテント張り陳列台を全部を熱心に見ると電池が持たないので、いちばん奥近くの「3冊100円」で6冊。知り合いの古本屋さんが客として来ていたので、声をかけ、買った本を見てもらうと、たちまち古書的評価がされる。さすが、だ。本のこと、よく知っているなあ。

別行動のお二方と合流、「むしくい堂」へ。古本まつりの流れか、店内、にぎわっている。いい光景だ。レジに、初めて見る店員が。「忙しいときだけ手伝ってもらっている」とむしくいさん。進化しているではないか。

このあと、新装、高層ビル化した荒井呉服店へ。テレビ、ラジオ、マスコミに50周年で露出しまくりの松任谷由実さんの実家だが、その旨を感じさせる痕跡をみごとに消している。ふつうは等身大のユーミンパネルを置いて「私が生まれ育った実家なのです」とかなんとか、書きたいところだが。じつに奥ゆかしい。

一本裏筋へ回ると、ユーミンが通った幼稚園、教会。その先、ジャズ喫茶サクラヤの対面に、散歩堂さんが発見し、すっかり気に入った昭和純喫茶「サントス」に3人で入る。外観、店内の調度、テーブルにソファとすべて満点。心身ともに「昭和」に染まりそう。ええわあ、まったりするわあ。コーヒー380円も昭和だ。あることで、お二人の親切にも感激する。駅に向かい、これから「ブ」へ向かうという若い二人を見送り、老兵は電池切れで帰還。

帰宅したらCS初戦、阪神がかろうじて勝っていた。大山、もっともっとリラックスしてくれ。ともにコツンと当てて振り抜けばスタンドに入るんだから(いやに簡単におっしゃいますね)。湯浅は球児の域に達しつつある。マルテをもっと使いたい。手記を書いてくれ(『マルテの手記』)。