秋の長雨の合間の曇り日、散歩のサポート隊長・散歩堂さんを無理言ってお誘いし、鎌倉へ。「赤旗」取材で鎌倉文学館開催中の「澁澤龍彦 高丘親王航海記」展を。その前に北鎌倉「東慶寺」で、赤瀬川原平の墓を撮影。文学館のある由比ガ浜へは江ノ電。文学館を見て(展示もいいが、建物、庭がよかった)、ふたたび江ノ電。相模湾を見ながら揺られ、江ノ島下車。もと写真館の旧い建物を使ったパン屋でカレーパンを買って食べ、カフェでコーヒー。江ノ電「江ノ島」からすぐの湘南モノレールで大船まで戻ってくる。これはいいコースだった。湘モノは初乗車。山を越えて谷を下り、住宅街を抜け、遅い、コースターに乗っているきぶん。大船で鳩サブレを買い、お土産に。またもや、散歩堂さんにはお世話をかけた。来世で恩返しをするらん。
鎌倉行の前夜、眠れずに深夜、時代劇専門チャンネルで、小林桂樹版「藤枝梅安」を見る。なかなかよかったですねえ。絵の見せ方にいろいろ工夫があって、美術もいい。なにより、男二人が夜、鍋(豆腐に大根、それにアサリとシンプル)を前に、酒を飲む。ついでもらった酒を大ぶりのちょこ一杯分、さらりと鍋に投入する。これがうまそう。冷蔵庫に豆腐半丁があったので、小鍋に昆布を敷いて、ネギとえのきを具に湯豆腐を作って一人食べる。料理酒用の日本酒をチンして、初老の男にふさわしい秋の夜である。